2010年1月1日金曜日

Yes



次廣 靖(プロデューサー/ディレクター)

ファンにとってはおなじみの話ですが、ビートルズという人生に疑問を抱き全てに疲れていたジョンを救ったのは、たまたま見に行ったヨーコの個展で出会った「Yes」という言葉だったといいます。

映画『イエロー・サブマリン』でもブルー・ミーニーを倒すのは「Yes」。

たしか大瀧詠一さんが書かれていたと思うのですが「ポピュラー音楽の歴史はYesと言った者の歴史」。新しいリズム、新しい言葉、新しいメロディ、新しい衣裳が出て来た時に、否定するのではなく、それは面白いと思った人たちが新しい音楽を創ってきたと。

もちろんそれで昔からの音楽が否定されるわけではありません。ヒットチャートに載らない音楽にYesという選択をすることもできます。たとえば今年来日が予定されているアーティスト、ジャクソン・ブラウン、ビーチ・ボーイズ、ボブ・ディラン、キャロル・キング、ジェームズ・テイラー。みんなそうして「生き延びて」来たのではないでしょうか。

歳をとるということもそうです。それだけ新しいこと、モノ、人に出会うことができるということ。そのチャンスにYesということができれば、いっそう楽しく生きていけるはず。

年の初めにそんなことを考えました。

うまく行かないことは多いけれども、常に前向きに。おすすめのビデオをここにあげておきます。

http://www.youtube.com/watch?v=DE8HrWmnLwA
http://www.youtube.com/watch?v=54pPcsDEc6M

photo by (michelle)
http://www.flickr.com/photos/eyefruit/ / CC BY-NC-SA 2.0
http://www.flickr.com/photos/eyefruit/179553810/


photo by (michelle)

2009年12月30日水曜日

フリーの力


次廣 靖(プロデューサー/ディレクター)

年末の特集でいろいろな方とお会いして話している時に出た面白いキーワードがあります。それは「フリー」。英語では「無料」と「自由」という意味を同時に持つ言葉です。

たまたま Google や Twitter などのサービスを考えていたら「フリーの力」というフレーズが頭に浮かび、ドキュメンタリー番組にしたら面白いのではないかと考えていたところでした。そのことを取材先の方に伝えたら、今すでに「フリー」そして「フリーミアム」という言葉がバズワードになっていて、それについての本『フリー~〈無料〉からお金を生みだす新戦略』は話題になっているとのこと。不勉強でした。もしかしたら思い浮かんだのは、どこかで読んだからかもしれませんね。

で、この『フリー~〈無料〉からお金を生みだす新戦略』、どんな内容だと思いますか? 読み始めたら、自分が考えていたのとはかなり違う方向の内容ということがわかりました。しかし面白くて刺激的なのは確かです。

年末年始の読書におすすめです。

年明けには、これらをテーマにイベントも企画されているようですが、それについてはまた今度。
(写真はマカロンで作った Google Chrome アイコン)

2009年12月26日土曜日

進化は始まっている 未来は今である


16人のスタッフのうち 7人が iPhone ユーザーという、ちょっと異様な STYLEBOOK チームですが、使い方もアプリケーションもバラバラ。それぞれの人がそれぞれの iPhone 観を持っています。今回の企画「手のひらの中の未来 〜 iPhone アプリケーション」はそんなところからスタートしました。

取材でうかがったのは、「大辞泉」がバージョンアップしたばかりの小学館。iPhone/iPod touch を作品ガイドに使っている相田みつを美術館。iPhone アプリをきっかけにプログラムを書かないクリエイターやプロデューサーが世界に進出するのを手助けしているAppliya。全米一位のゲームを創ったパンカク。ARアプリに日本向けのコンテンツを提供するシステム・ケイ(Skype取材)。そして今回の企画のきっかけになる色々な刺激をくださった ITジャーナリストの林信行さん。

お話をきいて思ったのは、この iPhone アプリケーション開発に関わっている方たちが、とてもポジティブであるということ。

ものづくり力が落ちているといわれる今の日本で「アプリケーションを作ることで世界を良くしよう、世界の人を楽しませよう」という気迫が言葉の端々から伝わって来ました。

必ずしも iPhone ユーザーでない方が見ても面白くなるように、という意図もあり、放送ではうかがった話の半分も紹介できませんが、いずれここで追加報告をしたいと考えています。
次廣 靖(プロデューサー/ディレクター)

2009年9月8日火曜日

09・09・09

次廣 靖(プロデューサー/ディレクター)

すでに色々なところで話題になっていますが、2009年9月9日 ザ・ビートルズの全オリジナル・アルバム(+α)がデジタル・リマスターされて発売になります。それを記念して9月9日の9時9分から、赤坂ブリッツで全曲大音量試聴会が行なわれます。

「スタイルブック」ではそのイベントの取材、今回発表されるステレオとモノのボックスセットの紹介だけでなく、日本武道館のコンサート、エド・サリバン・ショー、伝説の屋上コンサート等のビートルズの演奏シーンの映像や、今回のリマスターに携わったエンジニアやEMIスタッフへのインタビューを中心に、「ビートルズを聴き続ける理由」と題し特集をします。

学生の頃は好きだったけれど久しくビートルズを聴いていないという人、新しいCDを買おうか買うまいか迷っている人にも役に立つこと間違いなし。お楽しみに!

STYLEBOOK
ビートルズを聴き続ける理由
9月19日(土)よる11時30分

2009年9月2日水曜日

スズムシのすすめ

佐藤充能(リサーチャー)

スズムシを飼い始めた。きっかけは馴染みの銭湯でのお風呂上り、番台の前の休憩所で一休みをしていたら何処から秋を感じさせるスズムシの風流な音色が・・・。最初はBGMを流しているのかと思ったが、銭湯の人に聞いたら自分が座っている椅子の下に虫篭があって、その中で本物のスズムシが鳴いている音だとのこと。お風呂上りのさっぱりとした気分に妙にマッチするスズムシの音色。しばらくの間、その鳴き声を聞きながらゆっくりとしていたら、銭湯の人が「スズムシ持ってかない?」と僕に一言。小学生の時にカブトムシを飼って以来、虫を飼っていなかったこともあり、飼う自信の無かった僕は一瞬戸惑うも、あまりにもスズムシの音色が良かったので結局スズムシを家に持って帰ることに・・・。

そんな訳で、3週間程前から僕とスズムシの生活が始まったのですが、これがなかなか楽しい! 何が楽しいって、スズムシ達が家で飼ったら全然「風流に」鳴いてくれない! 貰ってくる前は夜になったら良い感じで鳴いてくれると想像していたが、もう昼も夜も関係無く鳴きまくる! しかも音量的に風流なのは一瞬! いったん鳴き出すと、後は直ぐに風流のレベルを超えた大ボリュームで鳴き続ける!

つい最近、番組で音環境を考えてみようという概念「サウンドスケープ」を特集したが、このサウンドスケープの概念を説明する本ではスズムシの音色が「良い音」として度々紹介されている。しかし、我が家のスズムシ達ときたら風流一瞬、直ぐ騒音。だけど、出来の悪い子ほど可愛いと言われる通り、最近はこのスズムシ達の騒音レベルのサウンドスケープがないと、思わず死んじゃったんじゃないかと心配になって、一日に何度も虫篭を覗きこんでしまう自分がいる・・・。

平安時代の貴族や江戸時代の庶民の間で流行したという「スズムシの飼育」。なかなか楽しいし、一週間に一回位エサをあげるだけで手間も掛からないので、興味のある方は是非!

2009年8月26日水曜日

ご飯の話3



佐藤充能(リサーチャー)

今までこのブログで8月29日放送予定の「お米特集」に登場するお店の事を2回書きましたが、今回はその最後の3回目。本日紹介するお米の美味しいお店は、千代田区外神田 JR御徒町駅、銀座線末広町駅からほど近い場所にある鳥料理の名店「鳥つね自然洞」。

そんな鳥つね自然洞さんの美味しいお米が食べられるメニューといえば「親子丼」。もちろん鳥料理専門店の親子丼なので、鶏肉にこだわっている当り前。それより特筆すべきなのが、この親子丼に使われている福島県熱塩加納村で自然農法にこだわる農家さんから直接仕入れているコシヒカリ。この米の美味しさが、この店の味のベース、すなわち鶏肉を含めたその他の食材の味の基準となっているのです。

今から20数年程前、当時付き合いのあった福島の酒蔵さんから、この熱塩加納村の農家さんのコシヒカリを紹介されたご主人さんは、そのあまりの美味しさに直ぐにお店で使うことを決意。また、それと同時に、お米の味に合わせて鶏肉や野菜、お米を炊く際に使う水なども全て再考することに。全国を飛び廻り、生産者と直接顔を会わせて、このコシヒカリに合う食材を選んでいったそうです。

そんなこだわりのお米、そしてお米の味を基準に厳選された食材を使った親子丼だけに、その味わいは僕が今までの人生で食べた親子丼の中で間違いなくナンバー1(僕の味覚を基準に話すのもなんですが・・・)。普通、親子丼が美味しいといっても、ご飯、卵、お肉、汁のどれか一つの味が妙に際立っているものが多いと思うんですが、この鳥つね自然洞の親子丼は先に書いた理由から、丼の中で全ての食材の味が見事にマッチング。本当に完成された丼って、こんなに美味しいもんなんだと感動すらおぼえました。

8月29日放送の「お米特集」をぜひチェックして下さい。

「鳥つね自然洞」
東京都千代田区外神田5-5-2  TEL:03-5818-3566

STYLEBOOK
「やっぱりご飯が一番」
8月29日(土)よる11時30分
BS朝日

2009年8月19日水曜日

ご飯の話2

佐藤充能(リサーチャー)

今回のブログは前回に引き続き、8月29日放送の「お米特集」に登場するお店を少しだけ。

今回ご紹介するのは、東京の麻布十番で築地から仕入れた旬の魚を使って干物を作り続ける干物職人・藤井哲夫さんのお店「あん梅ぎん香」。

その最大の特徴、美味しいご飯の秘密は、薪を使って釜戸でご飯を炊くこと。

近年、和食の解釈が多様化し、シンプルな和食を提供するお店が少なくなった事に危惧を感じた藤井さんは「あん梅ぎん香」のオープンにあたり、ご飯、干物、味噌汁といった昔ながらの素朴な味わいの日本食、特に美味しいご飯の食べられるお店にしたいと考えたそうです。そして、普通は味と効率のバランスを考えてガス釜や土鍋で炊くところを、ご飯本来の美味しさをもっとも引き出せるという理由から、薪を使って釜戸で炊くことを決意。

薪を使った釜戸炊きという炊き方、それから干物との相性を考えて選択されたお米の銘柄は、富山の「てんたかく」。この「てんたかく」は「ひとめぼれ」の改良種の一つなのですが、「ひとめぼれ」よりも弾力が強く、美味しさを引き出すにはかなりの火力が必要とされるそうです。ガスや土鍋炊きよりも火力が強い釜戸炊きなら、「ひとめぼれ」よりもやや淡白なほのかな甘みを殺さずに、「てんたかく」の魅力である弾力を最大限に引き出すことが可能なのだそうです。

そんな説明を受けながら試食したご飯は、普段そこまで食にこだわらない僕でも一口でわかるほどの美味しさ。実は「あん梅ぎん香」にうかがう約3時間ほど前に食事をすませていたのですが、干物の美味しさも手伝って完食してしまいました。

ご飯が大好きな方、美味しい干物が食べたいという方に、是非おすすめのお店です。


「あん梅ぎん香」
東京都港区麻布十番2-19-2
TEL:03-5439-6938

STYLEBOOK
「おいしいご飯が食べたい」
8月29日(土)よる11時30分

2009年8月14日金曜日

サウンドスケープ 〜川越〜



岡トヲル(ディレクター)

みなさんは「日本の音100選」をご存知でしょうか。 環境省が日本全国から様々な自然音や人口音などを選定したものですが、その中に埼玉県の川越にある「時の鐘」が入っています。

私は川越の高校に通っていたので、その存在は知っていましたが、どんな音だったか思い出せません。そこで取材も兼ねて鐘の音を録りに行く事にしました。

7月某日、気温は30度を超え、うだるような暑さです。 鐘は午前6時・正午・午後3時・午後6時と日に4回鳴ります。 昼少し前、時の鐘の前につくと、 現在朝ドラの舞台になっているためか、たくさんの観光客がいました。

正午。ゆっくりと撞木が動き出して、6回鐘を鳴らしました。時間にしておよそ3分ほどでしょうか。不思議な事に、車道の近くで、車がビュンビュン通るのに音だけはしっかり聞こえるんですね。

3年間川越に通ったのになぜ私はこの音を思い出せないのか、それはあまりに鐘の音が川越の日常音だったからだと思います。その時、「これがサウンドスケープなんだな」と感じました。あらためて聞く鐘の音は、川越の街に響き渡り、とても趣き深かったです。

帰りにふと郷愁に誘われ、菓子屋横丁に向かいました。かき氷を食べると、キーンという痛みが頭に響いてきました。 そのまま足は懐かしい路地へ。
「ゴーン」
午後3時の鐘が鳴っています。 いつの間にか3時間も町を歩いていたようです。

ぜひ鐘の音を聞きに川越に行ってみて下さい。



2009年8月10日月曜日

ご飯の話

佐藤充能(リサーチャー)

『スタイルブック』では8月29日に「お米」の特集を予定しています。そんな訳で先日、取材と打ち合わせを兼ねて都内の“お米にこだわるお店”を三軒程うかがってきました。今回から3回に分けてお米特集に登場予定のお店情報を少しだけご紹介しましょう。

第一回目の今回は白金のプラチナ通り沿いにある「心米」。毎年約100種類のお米を試食して、その中から厳選された10種類ぐらいのお米を楽しむことが出来るというお米好きにはたまらないお店です。現在取り扱っているお米は、「ミルキークイーン」「天使の詩」「ひとめぼれ」「はちみつ米」「夢ごこち」「さわのはな」「森のくまさん」「コシヒカリ(魚沼)」「コシヒカリ(福島)」「ハツシモ」「ササニシキ」「あきたこまち」の12種類。これに雑穀の2種類を加えるとその数14種類にもなります。

もちろん水や炊き方にもこだわっていて、お米を研ぐ際の最初の水、それから炊く時には山形県の天然名水を使用。また、ご飯を炊く土鍋はお米が対流しやうい様に、通常よりも丸みを付けた「万古焼き」の特注土鍋を使って炊き上げる。

取材でおじゃました時はその中からお米の甘さや硬さの違いを考えて、「ミルキークイーン」「さわのはな」「ササニシキ」の3種類のお米を試食させていただきました。甘くて柔らかい「ミルキークイーン」、ちょっと固めでさっぱりとした味わいの「ササニシキ」、その中間でどんな料理とも相性の良い「さわのはな」と、同じお米でも銘柄や産地、生産者によってその味の違いは歴然です。

お米の深さを実際に自分の舌で痛感する事が出来るという、非常に稀有な体験が出来るお店「心米」。興味のある方は、ぜひ一度足を運んでみて下さい。

「心米」
東京都港区白金6-18-7 
TEL:03-5793-4556

2009年8月7日金曜日

おすすめスポット 仁右衛門島

佐藤充能(リサーチャー)

8月8日のスタイルブックは、深夜1時からの放送になります。テーマは「川で遊ぶ」。
知る人ぞ知る、そして知る人が増えている、ウォータースポーツ「キャニオニング」と川で遊ぶためのギア「キャンピングカー」を特集します。

ところで、本ブログでは番組とは別に、僕がお勧めする夏を満喫出来るスポットを紹介しましょう。

そのスポットとは千葉県にある「仁右衛門島」。鴨川から車で10分ちょっと南下した所にある小さな漁港から、渡し舟に乗って行く小島です。

島の手前が家族向きの波が穏やかなエリア、島奥側がシュノーケルとか持って行くと「獲ったど~!」が出来る岩場エリアとなっています。

何でこの「仁右衛門島」が特にお勧めかというと、鴨川より更に南という事もあり海がきれいなのはもちろんのこと、一般的な海水浴場と違ってバーベキューOK。夏の2大アウトドアアミューズメントと言える「海」と「BBQ」が一度に楽しめるのです。しかも、一緒に行くメンバーの中に素潜りで魚を捕まえられる人がいれば、BBQに海の幸も加えられるというオマケ付き。皆で楽しくBBQしながら暑くなったら海で遊ぶ。それでまたお腹が減ったらBBQ再開という夏の楽しい一時を贅沢に使うことが出来るスポットなのです。

そんな事もあり、行くなら絶対に大人数の方がお勧め。スタイルブック世代なら、仲の良い家族数組とかで行くと、大人も子供も絶対に忘れられない楽しい夏の思い出を得られると思います。

東京からであれば、高速と一般道を使っておよそ2時間半~3時間。ぜひ「仁右衛門島」体験をしてみて下さい。

それから最後に、当り前だけどゴミ出しのルールはきちんと守りましょう。あと、とって良い魚も決められているので、それは島にある看板を見て確認して下さいね。

2009年7月12日日曜日

西新宿定点撮影40年



次廣 靖(プロデューサー)

日本のCI、コーポレートブランディングの第一人者、中西元男さんが企画制作されている西新宿定点撮影のことを、以前「位置情報の未来」という回(2009年5月30日放送)でご紹介しました。

じつは昨日はその最初の撮影がおこなわれた1969年7月10日からちょうど40年という記念すべき日だったのです。

5月に中西さんから、この日に撮影があるということをうかがった時、ぜひわれわれスタイルブックも立会わせてくださいとお願いしていました。そして気持ちよくご了承いただき、あの画期的なプロジェクトがどのように作られているかの一部分を見せていただきました。

7月10日の東京は朝から風が強く、天気予報も曇りときどき雨、という不安な天気。基本的に天気が悪い場合は撮影中止のため、ずっと心配していたのですが、午後になると次第に明るくなりほっと一息。夕方に向けて時間がたつと日が射して来ました。

定点撮影の写真は山田脩二、垂見健吾、田中一光の各氏が担当して来られました。現在は嶋村秀人さんが撮影されています。嶋村さんが担当されてからもすでに20年!

嶋村さんと中西さんとの後ろについて撮影現場のビルの屋上に上がりました。すでに写真やDVDでその光景を見たことがあるのですが、やはりそこから見る西新宿は特別に思われました。左(北)の青梅街道方面に新宿アイランドタワー、そして東京都庁舎、真ん中にこのプロジェクトの原点ともいえる京王プラザホテル、そして新宿パークタワー。

今見ると当たり前のようにきちっと収まった西新宿の高層ビル群。それを撮影するのにうってつけの撮影ポジション。しかし考えてみてください。40年前ここにはほとんど何も無かったのです。一体何を根拠にこの場所で、あの角度で、あのサイズで撮影を始めたのでしょう?

1969年当時、定点撮影の候補地はいくつかあったそうなのですが、条件や将来の予測をして決まったのが西新宿。そして撮影の基地を決めて構図を考えたのは、初代撮影者の山田脩二さんだったそうです。撮影場所自体、当時めずらしかった十数階建てのビル。そして「今後、西新宿にビル群が建つとしたら、おそらく駅に近い方から順に、駅に平行して建つに違いない」こう山田さんは読んだそうです。はたしてその通り計画は進みました。

都市計画もデザインの大きな対象、ということで中西さんが始められたこの「西新宿定点撮影40年」。今後のスタイルブックでも、あらためて紹介する予定です。お楽しみに。

(写真 左:中西氏、右:嶋村氏)

2009年7月4日土曜日

デザインの着想・デザイナーの言葉

「デザイナーはデコレーターではない - 川崎和男」
「形のないものに形を与えて 読者を誘拐する - 菊地信義」
「光を香る - 内原智史」
「完全を超えた不完全の美 - 枡野俊明」
「茶室は未来の空間を考える場所 - 隈 研吾」
「ピアノのデザインは人の暮らしの変化と連動する - 勝又良宏」
「わからない文様に生命力を感じる - 佐藤 卓」
「ブランド=企業の思いを伝えたい - ナガオカケンメイ」

STYLEBOOK
7/4(土)よる11時30分

2009年7月3日金曜日

子供と行けるレストラン2

佐藤充能(リサーチャー)

前回の放送が好評だったため、第2弾が決定した企画「子供と一緒に行けるレストラン」。現在、取材に協力していただけるお店を調査中です。今日はこのブログを見てくださっている方だけに、そんなお店の探し方をちょっとだけ…。 

僕が今まで調べた限りでも、六本木、赤坂、神楽坂、自由が丘、元町には、先日の「三輪亭」や「サクスアベニュー」さんの様な大人も子供も楽しめるお店が間違いなくあります! ヒントは、六本木は和食、赤坂はスペイン料理、神楽坂はイタリアン、自由が丘はフレンチ、元町はフレンチのビストロ。

興味のある方はこれらの地名と各料理のカテゴリー、それから「子連れ」、「家族」、「優しい」などのキーワードを加えてネットで検索。直ぐに見つかると思いますよ~。

2009年6月27日土曜日

Cの遺伝子 - スーパーカブ110試乗レビュー

佐藤タダシ(ディレクター/カブ乗り)

遂に発売されたスーパーカブ110。STYLEBOOK で紹介するにあたり、試乗してきました。そこで気になる方&購入予定の皆さんに向けてリポートしましょう。

まず実車を見ての第一印象は随分と「ファニーフェイス」になった点。メッキパーツが少なくなり「プラスチッキー」になったという人もいるが、メタリックでは無くなったボディーカラーとのマッチングはイイ。全体的に丸みを帯びたスタイルが優しさを醸し出している。でも、どこから見てもやはり「スーパーカブ」。伝統を残しつつ、ここまでスタイリッシュになったのは驚きだ。

エンジンは海外モデルにも搭載されている110ccがベース。PGM−FIのセッティングの妙によって、スムーズ&トルクフル。従来の90ccでは交差点進入時のブレーキング後加速がやや辛いと感じることもあったがニューカブはそんな事を感じさせない。3速のまま、20kmから加速しても十分にスピードを乗せられる。

とかく話題になるのが、テレスコピック式となったフロントサスペンション。このシステムの最大の恩恵はフロントブレーキを使えるものにしている点。今までのボトムリンク式では制動時の挙動がやや不安な感じを覚えるものであったが、積極的にフロントをブレーキングできるようになり、安心感が備わった感じだ。
でも基本的に乗り味は今までのカブと同じ。お尻から下でコントロールするヒラヒラ感は変わらない。

ユーティリティ&セーフティ関係は殆ど一新された。速度計内燃料計、メインキーボックスでのハンドルロック、左グリップに装備されるプッシュキャンセルウィンカースイッチ、バーエンドキャップ装着、小型化されたが効果大のレッグシールド等、そのすべてが便利になったのと同時に高級感を醸し出すのに一役買っている。

ヘビーユーザーにとって気になる点はカスタマイズだろう。現時点でもHMJから魅力的なパーツも出ているし、先行きは明るそうだ。

今までのカブは「質実剛健」であり、それが実用車としての主張でもあった。しかし、ニューカブは「羊の皮を被った狼」といった感じ。可愛い顔をしてはいるが、走りはいい。私だったら、キャリアを小型化するだけでほぼノーマルで乗ってみたい。

2009年6月22日月曜日

21世紀のスーパーカブ



佐藤タダシ(ディレクター/カブオーナー)

先日ここでも予告した「カブ」のイベントに、STYLEBOOK の取材で行ってきました。
Cafe Cub Party in Kyoto 2009!

ひとくちに「カブ」といっても実はさまざまな種類があります。

新聞配達でお馴染みの「スーパーカブ」。タイヤのサイズが小さい「リトルカブ」や、同じエンジンを搭載したレジャーバイク「モンキー&ゴリラ」も広義的にはカブ系に入るそうです。その他にも「タイカブ」「ハンターカブ」と行った海外モデルもあります。

これらの車両が一同に集まるイベントが Cafe Cub Party。自分好みにカスタマイズされたカブが480台(!)も集合しました。

驚いた事に殆どの参加者は京都まで自走してくるのです。中には関東、九州からの人もいました。基本的には原付です。走る事のできる道路も限られています。それでも皆、京都目指して駆けてくるのです。しかも20年前、30年前のカブも自走参加。よく聞くカブのエピソードを思い出しました。「カブは頑丈」。

京都の街には多くの古いカブが現役で走っていました。
「壊れるまで乗る」
「直せば走る」
このサイクルが確立しているバイクだからこそ古い車両でもバリバリ走れるのですね。

ところで新しいスーパーカブが発表されました。排気量110ccのパワフルカブです。さっそく試乗車を借りて乗ってみました。「これがカブ?」速いです。ストレスなく走ります。そして音も静か。既存のパワートレーンを使っているのにも関わらず、これほど変わるとは! 間違いなく110ccスーパーカブは21世紀のカブです。オススメ!

スタイルブック
「Cの遺伝子」
6月27日(土)よる11時30分放送

2009年6月20日土曜日

2009年6月18日木曜日

2009年、 BONSAI の旅



次廣 靖(プロデューサー)

これまで150回以上も放送してきた STYLEBOOK ですが、取り上げていないテーマがいくつもあります。その一つが「盆栽」。

日本庭園や茶室をとりあげたことはあるのに、なぜ盆栽を扱わなかったか。その理由の一つは「波平さんの趣味」っぽく思えたから。もちろん偏見です。盆栽に対しても波平さんに対しても。

今回、番組で取材させていただきわかったのは、盆栽は決して「年寄りのための趣味」だけではない、ということ。いや、もちろんお年寄りの趣味でも構わないのですが、だからといって若い人が手を出さないのはもったいない。そして、とてもドメスティックな世界であるからこそ、世界が注目しているということ。(写真の棚はロサンゼルスでのスナップ)



今テレビで盆栽というと、パラダイス山本さんが提唱している「マン盆栽」や、女性にも話題の「ミニ盆栽」、を取り上げがちですが、伝統的な盆栽も充分ポップだし楽しいということが、番組の取材を通じてよくわかりました。そして数千万円の盆栽にも数万円の盆栽にもそれぞれ魅力があることもわかりました。

もう一つ、盆栽で感じたのが「この鉢の中に世界がある」という感覚。盆栽には、茶室や日本庭園と同じ「小さなもののなかの宇宙」という美学を感じます。それは日本独特の感覚かもしれません。しかしその日本独特の感覚こそ、現代の世界に必要なものではないでしょうか。

CL(コンパクト・ラグジュアリー)という言葉があります。「ムダのない豊かさ・本物の美しさ」を提唱するこのコンセプト。その原点をこの盆栽に見ることができます。

2009年の今だからこそ、盆栽を楽しむ理由がある。そんな考えから今回、番組でとりあげることにしました。盆栽ファンから入門者、これから始めようかという人、どなたにも楽しめる企画だと思います。お楽しみに。

スタイルブック
「2009年、BONSAI の旅」
6月20日(土)よる11時30分放送

2009年6月15日月曜日

レストランは家族で!

5月23日に放送した「子供と一緒に行けるレストラン」特集が大きな反響があり、放送後にも問合せをいただいております。

ぼくたちのスタッフの現実的な問題(小学生以下の子供がいるスタッフが5人います)から始めた企画ですが、おそらく番組をご覧くださった方々もふだんから同じ悩みをお持ちだったのではないか、と思います。

再放送の予定は無いのですが、ここにあらためて連絡先を掲載します。いらっしゃる時には事前に電話で連絡をされることをおすすめします。

☆トゥーランドット 游仙境 横浜店
(モダンチャイニーズ)
 http://www.wakiya.co.jp/turandot/yokohama.html
 神奈川県横浜市西区みなとみらい2-3-7 
 パン パシフィック 横浜ベイホテル東急 3F
 TEL:045-682-0361
(トゥーランドット 游仙境 自体には託児施設はありません
 キッズスクエアをご参照ください)

☆キッズスクエア パン パシフィック 横浜ベイホテル東急
 http://www.alpha-co.com/ks01_yokohama.html
 神奈川県横浜市西区みなとみらい2-3-7 
 パンパシフィック横浜ベイホテル東急6F
 TEL/FAX:045-640-6008



☆サクスアベニュー
(フレンチ)
 http://www.sucsavenue.net/
 横浜市都筑区中川中央1−39−37 ガネーシャ1F
 TEL:045−309−8100

☆ピコットクラブ(会員組織)
 サクスアベニュー併設

☆三輪亭
(南チロル料理)
 http://pws.prserv.net/miwatei/
 世田谷区豪徳寺1-13-15 ツノダ第1ビル1階
 TEL/FAX:03-3428-0522

2009年6月13日土曜日

パノラマ大好き!



次廣 靖(プロデューサー)

6月13日(土)の放送は「二味違う写真を楽しもう」

今回の企画を考えたもともとのきっかけが、スタッフのうち2人が持っている KODAK の V570 というカメラ。このコンパクトデジタルカメラのウリは レンズが二つあって超広角の画が撮れること。そして、ただでさえ広角なのに、さらにカメラの内部で複数の画像をつなぎ合わせてパノラマ写真を撮れることなのです。

パノラマ写真はもちろん昔からあり、愛好者もたくさんいます。きくところによると元ソニー会長兼CEOの出井さんもその一人だとか。

かつては特殊なカメラを使うしか無かったパノラマ写真(普通の写真の上下を切って、横長というだけの偽パノラマもありましたが)。それがデジタルカメラのおかげで簡単に楽しめるようになった。しかもつなぎ合わせるためのソフトウェアが年々進化して、より大きい画をきれいに作れるようになった。それに気づかせてくれたきっかけが V570 でした。

その最新型の一つがソニーのDSC-HX1。なんとビデオカメラでパンをするように、カメラを一振りするだけでパノラマ写真ができてしまうのです。使ってみたい! これが今回の企画のきっかけです。

今回の番組では、パノラマの他にも「普通じゃない」写真を撮れるカメラを紹介します。お楽しみに。

スタイルブック
「二味違う写真を楽しもう」
6月13日(土)よる11時30分

2009年6月12日金曜日

初めてのスウェーデン

佐藤充能(リサーチャー)

先日、仕事帰りに寄った赤坂の喫茶店で、たまたま隣の席に座っていた日本語ペラペラのスウェーデン人ビジネスマンと仲良くなって名刺交換。しかも嘘みたいな話だが、仲良くなったきっかは向こうからの「火貸してもらえますか?」という一声。最近、肩身が狭いスモーカーだが、なんかチョッと得した気分。

それで色々と話を聞いていたら、どうやら向こうでOEMを中心に展開する革製品を作っているメーカーの人らしい。そこで僕もこの番組で何回か日本人の革ブランドや職人さんを取材しているので、「日本にはこんなメーカーがいる」とか「こういう職人さんがいる」などの話をしたら、スウェーデンの革のプロから見てもやはり日本の技術は凄いらしいとのこと。別に僕は取材しただけで職人でも何でもないんですが、その一言を聞いてなんだかこっちまで嬉しくなった。

それで結局30分程話をして別れたんですが、後で考えてみればスウェーデンの方と話したのはこれが初めて。最近日本でもIKEAやH&Mなど、スウェーデン発のお店が続々と登場して話題となっていますが、ちょっと先いってる気分になれました。大いなる誤解でしょうけど。

とはいえ、それもこれも、今まで快く取材を受けてくれた靴や鞄などを作る取材先のおかげ。この場を借りて、改めて取材先に感謝!

2009年6月11日木曜日

続・雨を楽しもう


佐藤充能(リサーチャー)

前回のブログで雨の多いこの季節を「逆転の発想」で楽しむ方法を書きましたが、今回は僕が行っている「梅雨の晴れ間を楽しむ方法」を一つ紹介します。

その方法とは・・・「歩いて銭湯に行く」こと! 

実は僕、自他共に認める銭湯好き。二十歳の頃からほぼ週一回銭湯に通っている。しかも気分によって銭湯を使い分けている。一つは歩いて10分程度の所にある銭湯。二つ目は車で10分弱の銭湯。そしてもう一つ同じく車で10分弱の距離にあって深夜でも入れる銭湯の三つ。

この中で特にこの梅雨の時期、しかも梅雨の晴れ間に行くのが、一つ目の「歩いて10分程度の銭湯」。その理由は「散歩」にもなって、しかも銭湯帰りに「お酒」まで味わえちゃうという、この時期ならではの楽しみ方が出来るからなんです!

よ~く考えてみて下さい。どこかに遊びに行こうと思っても梅雨の晴れ間は稀少! しかも天気予報を見ても、何時晴れるかは全くよめない! さらに、せっかくの晴れ間が休日とも限らない! しかし、この「歩いて銭湯に行く」ならば特に準備の必要もナシ! 平日、会社帰りだってOK! しかも歩いていくからお酒も大丈夫! さらに言えば車も使わないし、歩いている時に肌で季節を感じて地球の事を考えるから、とってもエコロジー!

そんな良い事ずくめの「梅雨の晴れ間を楽しむ方法」、是非お試しあれ。

(写真は千駄ヶ谷のお風呂屋さん。本文とは関係ありません)

2009年6月10日水曜日

雨を楽しもう

佐藤充能(リサーチャー)

そろそろ梅雨入り。学生時代はテンションが上がらないので雨が降ったら学校を休むという生活を続けていた僕には、一年の内でもっとも憂鬱な季節が到来。今日はそんな僕がお勧めする雨を楽しむ方法を一つご紹介します。

その方法とは・・・「雨の日の車快適グッズで遊ぶ」こと! 考えてみれば、しょせん人間は自然には逆らえない。いくら雨が嫌と言っても降るものは降る。それならいっそ雨の日を、せっかく買った雨の日グッズの実験日と捉えてしまえば、嫌な雨の日も楽しいものに早替わり。しかも安全運転にも繋がるという一粒で二度美味しい方法です!

僕が個人的にお勧めする雨の日快適グッズ、まず一つ目。これは結構やっている人も多いと思うが、フロントガラスにコーティングする撥水剤。上手く塗れば街乗り程度ならばワイパー要らず。ただし、拭きムラとか厚塗りし過ぎるとかえって対向車のライトがギラギラ眩しいから、塗ると時には注意が必要。次にお勧めするのがサイドミラー用の親水剤。サイドミラーに水滴が付くととても見難い。しかしこの親水剤をやっておけば、水滴にならないでとっても見やすく安全。実は密かに僕の一番お勧めの「雨の日快適グッズ」だったりする。

それからワイパーのゴムを交換するのもお勧め。実はワイパーのゴムは1年くらいでかなり劣化する。ワイパーで雨を拭き取った後に、フロントガラスに白っぽい汚れが付いている事が多いという方は、おそらく既にゴムがだいぶ劣化している。これを交換すると、信じられないくらい雨を拭き取ってくれるしフロントガラスも綺麗になる。

そして極め付きはタイヤ交換だ! これは僕の経験から言うとプレミアムスポーツ系のタイヤが良い。雨の日の高速を走る事を考えて作られているから、ウエットグリップも耐ハイドロ性能も総じて高い。

以上、全部いっぺんに試してみると相当雨の日が待ち遠しいはず!?
嫌な雨の季節は、遊んで乗り切れ!

2009年6月9日火曜日

Cafe Cub Party in 京都

次廣 靖(プロデューサー)

昨年、50周年を迎えた Honda のスーパーカブ。STYLEBOOK でもその歴史を振り返って紹介しました。

印象に残るのは Honda の方がおっしゃっていた言葉。 スーパーカブがあったから、今の Honda がある。

今では世界的な企業になっている会社の原点。それが今も現役であるだけではなく、ファンが世界中にいるということ。これはとても稀なことではないでしょうか。そしてモノづくりについて大事な何かを伝えているのではないでしょうか。

そんなスーパーカブのファンが日本中から集まるイベントがあります。 Cafe Cub Party。1997年から毎年開催されて来たこのパーティ、いまでは東京と関西で年2回開かれています。まもなくやって来るのが Cafe Cub Party in Kyoto。

今年 2009年は 6月14日(日)京都・梅小路公園。もちろん STYLEBOOK も取材に行き、 日本中のスーパーカブ自慢の映像をおさめて来ます。放送は6月27日の予定です。

2009年6月7日日曜日

つながっている!


次廣 靖(プロデューサー)

5月30日に放送した「位置情報の未来」では、GPS、WiFi、3Gで位置情報を取得して利用する iPhone 用のアプリを何本か紹介しました。

基本的に自分たちで購入して使っているアプリケーションのレビューという扱いなので個々の会社へ許可をもらわなければできないというものではないのですが、お礼と報告も兼ねて事前に各社にメールの連絡を入れました。内訳は日本の会社一社、外国の会社6社。

まず最初に熱狂的にリアクションを返してくれたのが Brightkite という、今回の企画に一番あてはまっている「位置情報を利用したソーシャルネットワークサービス」の会社。こちらから連絡してから半日以内に、まず自分たちのサービス Brightkite で。そしてほぼ同時に Twitter で、放送日まで毎日告知をしてくれました。

その後も世界の(会社の所在地などネットではほとんど意味が無いのですね)各社から続々とメールが届きました。そしてどのメールもこの言葉で始まっているのです。「Awesome! (それはスゴイ! 最高!)」 そして「実は来週、新バージョンを出すから、正式発表前にベータを送ろうか?」とか「何か使い方がわからなかったりしたら、何でも聞いてくれ」とか。

もちろんこれらのアプリは間違いなく世界中で使われているので日本からのリアクションも始めてではないはずですが、それでも自分たちの作ったものが日本のテレビで紹介されることへの興奮というか喜びというのが伝わって来ました。 Brightkite のスタッフの一人は、ご家族が日本にいらっしゃるそうで、奥さんと奥さんのご家族が放送をリアルタイムで見てくださったそうで、放送後にもメールが届きました。

また、ご覧いただいた方はおわかりのように、この Brightkite はある意味 SNS ですから、それを紹介する時には個人個人のメッセージや投稿した写真が(小さくですが)テレビの画面に表示されます。これも、やはりご挨拶するのが筋だろう、と写っている皆さんに連絡しました。もちろん Brightkite と Twitter を使って。こちらもほとんどの方から暖かいお返事をいただき、またもちろん5月30日・土曜日の夜に放送を見てくださった方もいらっしゃいました。

東京の片隅のオフィスで番組を作っていたら、いきなり部屋の中に世界がやってきてパーティが始まったような不思議な感覚。それが今回の感想です。STYLEBOOK が世界で流れるようになったらきっと面白いだろうな。それも不可能じゃないかもしれないな。スタッフ全員がそう感じました。

今回 紹介した iPhone アプリ:
DGRadar
AroundMe
HearPlanet
Parallel Kingdom AOG
myPOI (i-Finder)
Darkslide
Brightkite

2009年6月5日金曜日

短靴購入検討中

佐藤充能(リサーチャー)

突然ですが今、実に10何年ぶりに短靴の購入を真剣に考えています。というのも僕が高校の頃、ちょっとしたブーツ人気があって、それ以来僕はブーツの愛用者。仕事柄、特に短靴を履く必要もなかったので、高校の頃から現在まで、おそらく10足位のブーツばかり履いてきて、最後に勝った短靴はどんなモノであったかも覚えていません。

そんな僕ですが、流石に年一足はちゃんとした短靴を持っておく必要と、現在愛用中のレースアップが履くのも脱ぐのも手間が掛かりすぎる事、そしてこれが一番大きな理由かもしれませんが、長めのレースアップ用の紐を手に入れるのがかなり面倒な事もあって、いよいよ10何年ぶりの短靴の購入を決意。
しかし、そう考えると今から7~8年前に履いていたコスチュームナショナルの後ろがジッパーになっているブーツと磯靴みたいなブーツは、使い勝手とデザインのバランスが最高だったな~。変な所にぶつけてどちらも破けちゃったのが今でも悔やまれる。

そんな訳で、雑誌を中心に靴を探していたのですが、来月のSTYLEBOOKで今まで特集した日本の靴のメーカー、ブランドの総集編的な企画があるのでビデオを見返した事もあり、せっかくなのでお礼も兼ねて取材でお世話になったブランドの靴にしようかなと検討しています。

第一候補は「日本の靴特集」に登場予定の大塚製靴かリーガルのどちらか。第二候補はこちらも来月の特集に登場予定の「そのみつ」さんと、これは来月には出ないと思いますが昨年末放送したオーダーR。今のところ、品質とデザイン、お値段のバランス、そして何よりあまりにも久しぶりの短靴購入という事もあり大塚製靴かリーガルのストレートチップかウィングチップのスタンダードなものにしようかなと思っていますが、そのみつさんとオーダーRのデザイン的な魅力も捨て難い。ただし、この二つはセミオーダーなので若干お値段が張る。

これらを踏まえて本気で短靴購入を検討しているので、購入したらブログで報告します。ちなみに、報告なかったら僕のお財布事情が許さなかったと思って勘弁して下さい。

STYLEBOOK
「歴史を履く、未来を履く 〜日本の靴」
6月6日(土)よる11時30分

2009年5月8日金曜日

音の風景

佐藤充能(リサーチャー)

今、STYLEBOOKでは「サウンドスケープ」を特集する企画を計画中です。

このサウンドスケープとは、カナダの著名な現代音楽作曲家 レイモンド・マリー・シェーファーが提唱したという新しい概念で、サウンドとスケープという言葉からもわかるとおり、音のランドスケープ。日本語にすると「音風景」。

その概念を簡単に言うと、景観 (景色や風景、街並みなど) の中には、目に見えるものだけではなく、耳から聞こえてくる音も含まれているというもの。産業革命以降、機械文明に発達により、本来あったはずの自然が生み出す豊かな音色は失われ、今世界はかつてないほど喧騒の中にいる。サウンドスケープとはそんな現代の音環境に対して警鐘を鳴らし、音環境について深く考えていこうという運動でもあるのです。

そんな訳で、さっそくレイモンド・マリー・シェーファーの著書『世界の調律-サウンドスケープとはなにか』を読んでみたら、なんだか妙にノイズに敏感になってしまい困惑中。特にパソコンが出す音がとても不快に感じてきました。最近なんか調子が悪いのか、僕のパソコンは常にモーターが廻っている様なファンが廻っている様な耳障りなノイズをずっと出す。そんなにボリュームが大きいわけではないのですが、もの凄く不快。

シェーファーの著書『世界の調律-サウンドスケープとはなにか』は、本格的なIT時代を迎える少し昔に書かれたもの。この本の中では特に、パソコンが出す音については触れられていなかったが、ほんの少しの間で世界には新たなノイズが登場している事を痛感しました。僕達を快適にしてくれるはずのものが、同時に僕達に苦痛をもたらすものだなんて、なんたる皮肉な事でしょうか。

そんな事を考えながら、今日も五月蝿いパソコンの前でお仕事する毎日。次の休みには静かな田舎の温泉で、川のせせらぎなんか聞きながらお風呂に入りたい。

2009年5月1日金曜日

子供と行けるレストラン

佐藤充能(リサーチャー)

いつもは大人世代、特に大人の男性向けの企画が多い STYLEBOOK ですが、ただ今お子さんがいらっしゃるファミリー向けの企画を計画中。その企画とは「子連れレストラン」。

小さな子供がいると、なかなか本格的な料理を味わえるレストランには行きづらい。でも、たまには子供を預けてレストランで夫婦二人の大人の時間をゆっくりと過ごしたい。また本格的なレストランで、家族一緒に楽しい一時を過ごしたい。そんな悩みを抱える未だ小さなお子さんがいらっしゃるファミリー向けの企画です。

そんな訳で、都内と都内近郊の子供歓迎のレストランを調べていたのですが、なかなか良いお店を見つけたので、その中から幾つか紹介。

一つ目は横浜市営地下鉄センター北駅近くの「サクスアベニュー」。
このサクスアベニュー、本格的なフレンチが味わえるお店ながら子供も大歓迎。またなんと言っても嬉しいのが、レストランに併設された託児施設「ピコットクラブ」にお子さんを預ける事も可能なところ。たまには子供を預けて、夫婦二人の大人のディナーやランチを楽しみたいと考えている方に是非お勧めのお店です。

そして二つ目は小田急線の豪徳寺駅近くにある「三輪亭」。
日本では珍しいチロル料理に特化したレストラン。ご主人の三輪さんがチロルでの修行時に在籍していたお店が、子供からお年寄りにまで愛されるお店だった事から、そのコンセプトはお店の看板に「per famiglie(家族のために)」と書かれているように、家族で楽しめるレストラン。そのため、店内はベビーカーでも入りやすい様にバリアフリー設計になっていたり、入口やトイレのドアが大きく開くなど、小さなお子さんがいるファミリーには嬉しい心配りがなされています。
子供が騒いだり、立ち歩こうとするのは当たり前。このお店はご主人の三輪さんが、その時に親が自ら考え、どの様に対処するかを養う場と考えているので、初めてちゃんとしたレストランに子供を連れて行きたいと考えているファミリーには最適なお店です。

今年のGW、高速は大渋滞が予想されるので遠出は控えたいという方、よろしければ是非行ってみてください。

「サクスアベニュー」
横浜市都筑区中川中央1-39-37 TEL:045-309-8100

「三輪亭」
世田谷区豪徳寺1-13-15 TEL:03-3428-0522

2009年4月17日金曜日

位置情報の未来




次廣 靖(プロデューサー)

STYLEBOOK 第一回のテーマで「地図」を選んだように、この番組は地図や位置情報にとても関心があります。

「支配者」にとって測量が大事だったのはいうまでもありません。また住む場所を決める時、移動の時、地図は重要な道具です。しかし地図にはもっと大きな意味があるのではないでしょうか?

そんな疑問もあって、今後「位置情報」を特集する企画を検討中です。

たとえば iPhone 3G。この携帯デバイスには GPS が搭載されています。携帯電話にGPSというのは新しいことではありませんが、 iPhone にGPSが入ったことで、様々な使い方が提案されています。

撮影した写真に位置情報を加えること。
自分の位置を友人に知らせること。また近くにいる友人を捜すこと。
位置情報を使った SNS。
GPS を使った RPG。

番組スタッフの間でも Twitter、Twinkle、Flickr、iPhoto、Brightkite、Parallel Kingdom といったサービスを利用することが流行っています。

またこの春発売された SONY のGPSユニットキット GPS-CS3K にも注目しています。これは移動した場所の緯度経度を記録する道具です。旅行や散歩に持ち歩けば、あとで通ったルートを地図ソフトなどでチェックすることができます。また、このデバイスを持って歩きながらデジタルカメラで写真を撮ると、あとで撮った写真に位置情報を加えることができるのです。もちろん現在いろいろな場所で試しています。

このように使って来て感じたのが、地図とは知恵を整理する手段なのではないか、ということです。

情報を何と関連づけるか。一つの方法は時間軸で整理すること。それが年表だったり日記だったり。もう一つは場所で整理すること。それが地図です。ある場所には(大げさに言えば)地球誕生以来の記憶が残っているはずだからです。

そんなことを考える番組にしたいと考えています。



2009年4月16日木曜日

STYLEBOOK 春のパン祭り

佐藤充能(リサーチャー)

先日、「パン」の取材で、都内の有名パン屋さんを一日で3軒ほど廻る「STYLEBOOK春のパン祭り」を開催。職人さんにパンの魅力を伺いながら、今までの人生の中で一日にこんなにパンを食べた事が無いという位たくさんのパンを試食。流石にどのお店もパン業界で名を馳せる有名店だけあって、普段僕がコンビニで買って食べるパンとは一味違う。(あのパンも美味しいけど)

その中でも僕が個人的に気に入ったお店の一つが、若き天才パン職人・毛利将人さんの「カフェマンマーノ」。昨年12月にオープンしたばかりの新しい店にも関わらず、この毛利さんの作るクロワッサンの味が評判を呼び、既にかなりの人気を得ている今注目のパン屋さん。
パリの名門ホテルで日本人として始めて製パンシェフに抜擢された経験も持つ毛利さんだけに、このクロワッサンやバケッドを始めとして、フランス系のパンの品揃えが豊富。また、このフランスでの経験だけに固執せず、積極的に新しいモノを取り入れて行こうと考えている毛利さんの日本の食材を使ったオリジナルパンも魅力的。(取材では販売予定の新商品を試食させてもらいました。)

場所は代々木上原の駅から歩いて1分もしない所にあるので、興味がある方は是非行ってみて下さい。きっとお気に入りのパンが見つかりますよ。

<ブーランジェリカフェマンマーノ>
東京都渋谷区西原3‐6‐5 TEL:03‐6416‐8022

2009年4月14日火曜日

ハイブリッド車の伏兵

佐藤充能(リサーチャー/ワイルドな車乗り)


業績不振という暗いニュースばかりの自動車業界ですが、実は今年は隠れたハイブリッド車の当たり年。ハイブリッド界の横綱プリウス、その最大のライバルであるインサイト、さらにレクサス版ハリアーハイブリッドのRX450など、ハイブリッド界のビッグネーム達が軒並みモデルチェンジ。しかし、そんな中で僕がもっとも注目しているのが、8月にデビューするというレクサスISGSの間に位置するハイブリッド専用車種「HS250h」。

 

その魅力はプリウスとインサイトの燃費、RX450を始めとした現存するレクサスのハイブリッド車やクラウンハイブリッドととは違い、ハイブリッドの機能を程よい上質とスポーティーさを演出する要素として使っている点。エスティマなどに使われている2.4ℓエンジンに北米版カムリのハイブリッドをベースとしたハイブリッド機構を備え、そのシステムの総出力は187hp。従来ラインアップされているレクサスのハイブリッド車は、ハイブリッドをまるで高ブースとのターボの様に使い排気量+1000CCの出力を得ているが、この出力、250という数字から察するにハイブリッドがもたらす出力分の余裕を、ちょうどいいスポーツ性と上質性の為に使っているのが見て取れる。

 

プリウスとインサイトはやはり燃費スペシャル。どうしても、もう少しスポーティーな車に乗りたいという方。それから、RX450GS450LS600は過激過ぎるし大きすぎると考えている方。そんな方に是非お勧めと推測される。

ビッグネームが続々と生まれ変わるハイブリッド界で、意外な伏兵の存在に注目したい。

2009年2月14日土曜日

自分だけの街を見つける方法

佐藤充能(リサーチャー)

今回は以前書いた「東京」ネタのパート2。
ちなみにパート1では、東京の街歩きを面白くするためのお勧め書籍として、各区の郷土資料館などで発行されている「昔の街の写真集」を紹介しましたが、第2回目の今回はかつて東京の街番組を担当し都内の様々な場所を廻った僕がお勧めする“改めて行くと意外に面白い東京のお勧めスポット”を紹介。

では、その“改めて行くと意外に面白い東京のお勧めスポット”とは? それは、東京タワーや都庁をはじめとした、東京の街を一望できる・・・『東京の高い所達』!!

これら『東京の高い所』、誰もが一度は登った経験があることでしょう。しかし、改めて考えるともう何年も登ってはいない。また、登ったことがあるとしても子供の頃や若い時、そんな人がほとんどではないでしょう。しかし、『高い所』から眺める東京、その醍醐味を味わえるのは、実は大人になってからではないでしょうか?

高い所から街を眺める楽しみの本質、それはただ漠然と高層ビルや街を眺めるだけではなく、その下に広がる“街の営みを想像”する事だと僕は思います。だから知識も経験も踏まえたSTYLEBOOK世代の方が、より“街の営みを想像”することが出来るので、幼い頃や若い時よりもさらに『東京の高い所』を楽しむことが出来るはず。

ちなみにそんな『東京の高い所達』の中でどこがお勧めかというと、東京タワーや都庁などの東京中心に位置しているものよりも、東京の全景が見えるやや離れた位置にある高層ビルや観覧車。具体的には葛西臨海公演の観覧車やサンシャインなどがそれにあたるのだが、詳しくはまた次回、東京パート3で。

STYLEBOOK
外国人のための東京ガイド Part 1
2月21日(土)よる11時30分 放送 

2009年2月3日火曜日

一粒だけで完結するのはもったいない

石田年弘(ディレクター)

日本人は欧米人に比べれば、チョコレートを食べる量はぐっと少ないそうです。
私自身も滅多に食べない。それは、チョコレートを食べると太るという幻想とチョコレートの種類が少ないからだと思う。
甘いのと苦いのと、白いのと、あとは中に何が入っているか、の違いだと思っていた。 しかし、今回の取材で、酸っぱかったり、辛かったり、もっと個性的な味がするものがたくさんあると知りました。 しかも、身体にも良い成分がたくさん含まれているそうです。 もう一つ私が持っていた誤解それは・・・和菓子なら、お茶が絶対に欲しくなる。けれども、チョコレートはそれだけで完結する。 確かにそれでも良い。しかし、コーヒー、紅茶、酒、他の物と一緒に楽しむことでもっと深く味わえるものだと、今回の取材でわかりました。 さらに驚いたのは、葉巻との組み合せ。これほどお互いのポテンシャルを高め、より深く楽しめる関係とは・・・ 音の良いバーで、ホッとする寛ぎのひとときを一粒のチョコレーと葉巻とちょっぴりの酒で、ホッとする寛ぎのひとときを過ごすのは相当おすすめです。 チョコレートをワインのテイスティングのようなつもりで・・・ チョコレートが口の中で溶ける時の鼻に抜けるカカオの香りを楽しむことを意識すれば、その奥深い魔力に気づけるような気がする。 甘い物をほとんど食べない私ですが、今後はチョコレートをもっと身近におこうと思います。 STYLEBOOK 「一粒の魔力 〜チョコレート」 2月7日(土)よる11時30分放送 再放送はありません。

2009年1月20日火曜日

東京を楽しむ方法

佐藤充能(リサーチャー/千葉県民)

2月中に「外国人のための東京ガイド」という企画が進行していることもあり、今回のテーマは「東京」。僕のお勧めする「東京を楽しむための本」をご紹介しようと思います。

実は僕、昨年の3月まで約3年間、東京の街を紹介する番組を担当していたこともあり、東京情報には少し自信あり。ちなみに「革のプロダクト」に出演して頂いたオーダーRの木島さんとも、この東京の街番組の取材を通じて知り合ったのでした。

そんな僕がお勧めする「東京を楽しむための本」は、ガイドブックでもなく、ミシュランでもなく、各区の郷土資料館などで発行している、その街のかつての様子を映した古写真を集めた「昔の街の写真集」。(各区によってタイトルが違うので、ここではまとめて「昔の街の写真集」としています。)

特にお勧めなのが、都心の区の写真集。千代田区とか港区、台東区などの昔から栄えていた街がある区の写真集が特に面白い。例えば千代田区なら何も無い頃の丸の内の絵や、昔の東京駅の写真、九段坂が昔はもっと急な坂道だったことなどがわかる。また現在の新橋駅より先のJRの線路沿いは、昔はほぼ海岸線沿いだったことが港区の写真集を見るとよくわかる。さらに台東区の写真集には昔の六区や、焼け落ちる前の五重塔なども掲載。

驚くほど変わった街から、逆に建物が変わっただけで街全体の骨格が全然変わっていないところなど、どの区の写真集も見応え充分です。

こんな写真集を片手に街を歩けば、東京の面白さは倍増。ほとんど全ての区で発行されているので、興味がある方はまずは最寄りの図書館で探してみて下さい。それから、それでも飽き足りないという方は、郷土出版社の「目で見る100年シリーズ」がお勧め。こっちもたいてい図書館に置いてあります。

そんな感じで書いていたら楽しくなってきたので、また近い内に改めて「東京」について書く予定です。それでは。

2009年1月11日日曜日

色とブランドの物語

佐藤充能(リサーチャー)

今週放送予定の「色特集」には登場しませんが、リサーチ段階で見つけた色にまつわる面白エピソードを二つ程紹介。

まず最初はエルメス。エルメスをイメージするカラーと言えば、なんと言ってもバックや革小物、それから箱や包装紙に使われているオレンジ。もちろんエルメスは色にこだわりを持ち、様々な色を展開していますが、あの柔らかい独特の色合いのオレンジはエルメスを象徴するカラーと言えるでしょう。そんなエルメスのオレンジというイメージが定着したのは、実は第二次世界大戦中。もともと、エルメスが包装紙に使っていたのは白。しかし、戦時中の資源不足から止むを得ずオレンジの包装紙を使ったところ、これが顧客からの評判を呼び、いつしかオレンジはエルメスを象徴するカラーとなったそうです。

続いて二つ目はカワサキのライムグリーン。このカワサキのイメージカラーであるライムグリーンは、実は欧米では不吉な色とされ、特にジンクスを重んじるレースの世界では敬遠されている色でした。しかし、カワサキはアメリカでのレース参戦時に、ライバルを驚かせるためにライムグリーンのマシーンを用意。その圧倒的な強さから、“グリーンモンスター”と呼ばれるようになったのです。ちなみにこの事について、カワサキの方に聞いたところ、”敢えて狙った”という訳ではないそうですが、僕個人の感想としてはその強さを強調する為の狙いの意味があったのでは?と感じました。

STYLEBOOK 色とブランドの物語
1月17日(土)よる11時30分 放送
1月18日(日)よる11時30分 再放送

2009年1月4日日曜日

生活と実践

佐藤充能(リサーチャー)

このスタイルブックのスタッフとして、皆さんに紹介したモノはなるべく実際に購入したり、実践してみようと考えています。そんなこともあり、最近始めたのが、以前番組でも紹介した「ランニング」。

スタッフの中では若い方とはいえ、僕も既に30代前半。最近流行のメタボが気になる年頃、そして微妙にお腹周りが気になる体型になりつつあったことから、生まれて始めて、ライフスタイルの中に「ランニング」がある生活を取り入れることを決意。

「まずは形から」と、思い立ったその日に近くのスポーツ用品店でジャージなどのランニングウェア一式を購入。これが功を奏したのか、せっかく揃えたウェアなどを無駄にしない為にも、毎日ではありませんが、時間がある時は必ずランニングを実践。その結果、まだダイエットという部分では効果は出ていませんが、「ランニング」を取り入れたことによって、今までのライフスタイルに一つの大きな変化が起こりました。そしてこの変化が、今ではまだランニングを続けている大きな理由ともなっています。

その変化とは、タバコの本数が大幅に減った事です。実は僕、一日最低5箱という時代に逆行したヘビースモーカー。そんな僕が、突然「ランニング」を始めれば、当然ちょっと走っただけで息切れは必至。事実、ランニング初日は、ほんの数百メートル走っただけでも苦しくて直ぐに休憩の繰り返し。しかし、こうして3~4km走って家に辿り着くと、いつもならあれ程欲するタバコを体が全く欲しなくなっていたのです。

まぁ~全くと言うのは流石に言い過ぎかもしれませんが、ランニングを始めてから、今まで最低でも5箱だったタバコが1~2箱までに低減。本来のランニングの目的とは少し外れるかもしれませんが、「禁煙したい」と考えている方、生活にランニングを取り入れる事をお勧めします。

2009年1月2日金曜日

革に魅せられた男


佐藤充能(リサーチャー)

現在、スタイルブックでは「若きレザーアーティスト特集」を企画中。先日、このブログでその取材候補の一人である〈革製品全般オーダー R〉の木島さんの事を書きましたが、今回はもう一人の方を、放送前にちょっとだけ紹介。

そのもう一人とは、某雑誌にて「至極の財布」と紹介された事もある職人・井戸崇史さんのブランド〈READY OR ORDER〉。親子3代に渡って続く財布職人の家に生まれ、既に20年以上のキャリアを誇る井戸さんが、長年の財布作りの中で、財布職人としてやってみたかった事の全てを詰め込んだブランドです。

井戸さんの〈READY OR ORDER〉の製品は、革の質感、細部に至るまでの丁寧な仕上げ、普通の財布では生地(布地)を使う部分にも革を使うなど、職人としてのこだわりを随所に感じさせてくれます。また、そのデザインは財布職人の世界では最も優れた技術を持っていると考えられている“パターン作りが出来る職人”としての井戸さんの「技術」と「遊び心」に満ち溢れたものばかり。

もちろん、そんなこだわりぬいた財布は大量生産出来ない故、現在はHP上での既成ラインの販売と、銀座松屋でのオーダー会のみでしか購入することは出来ませんが、来年春頃には工房でのアポイント制のオーダー会を開始する予定とのこと。放送まで待ちきれないという方は、ぜひ〈READY OR ORDER〉のHPをご覧下さい。

READY OR ORDER 

ちなみに、木島さんの 革製品全般オーダー R は 


STYLEBOOK 「革に魅せられた二人の男」
1月10日(土)よる11時30分放送
1月17日(土)よる11時30分再放送

2008年12月28日日曜日

スタッフのお気に入り 2008-2009


2008年の暮れにスタイルブックのスタッフが選んだお気に入り、39項目。

どれだけメチャクチャで、どれだけ国際的で、どれだけ「物好き」かわかっていただければ。

でも、明日になれば、もう別のモノが気になっているかもしれません。

来年も、心を豊かにしてくれるたくさんのお気に入りができるように、伝統と流行の両方を追究して、様々な場所で、様々な人と出会い、世界中の人とツイッターで語り合い、そしてバカでどん欲でいたいと思います。


☆プロデューサー・有賀史英
 hugme
 石垣島ラー油

☆ディレクター・井村秀樹
 会田誠の写真集『 MONUMENT FOR NOTHING 』
 SHARP の電子手帳 Brain

☆ディレクター・坂井宏爾
 ボルボ240
 ボードゲーム「マンハッタン」

☆ディレクター・小池伊織
 Colibri
 カクカクハウス(リノベーションしたばかりの我家)
 Jazzmaster

☆アシスタントディレクター・岡 亨
 帆船『あこがれ』
 Apple フォトブックで作成した自作写真集

☆構成作家・渡辺 創
 YAMAHA VMAX
 青島千穂の絵

☆構成作家・小久保剛
 長 大作のダイニングチェア
 クリスマス・イルミネーション

☆構成作家・篠原和也
 LAMY スイフト パラジュームコート ローラーボール
 ウォン・カーウァイ DVDコレクション

☆構成作家・平村隼人
 浅野いにおの漫画
 webサイト GIZMODE Japan

☆プロデューサー・次廣 靖
 Paperchase のノート
 隅田川

☆スーパーバイザー・渋谷康人
 グラン クリュ カフェ

☆ディレクター・洪 龍吉
 マイクル・クライトン
 テルミン
 エルビス・プレスリー『アロハ・フロム・ハワイ』

☆ディレクター・石田年弘
 フェルナンデス DIGI-ZO ULT
 ランブレッタ x The Who モッズコート

☆ディレクター・佐藤タダシ
 Panasonic LX-3
 LEICA D SUMMILUX
 SONY NV-U3V

☆ディレクター・魚地シゲル
 Apple iPhone

☆構成作家:三矢 賢
 HondaJet
 TSUBO Bona

☆リサーチャー・平川兼弘
 GUCCI ジッピーウォレット
 コカ・コーラの瓶

☆リサーチャー・佐藤充能
 BRASS のブーツ
 いさりび食堂

☆ナレーター・中井和哉
 ランチア・ストラトス 

2008年12月27日土曜日

いさりび食堂に大満足

佐藤充能(リサーチャー/ワイルドな車乗り)

スタイルブック 年末企画「スタッフのお気に入り」で僕がお勧めするお店、九十九里町の不動堂海岸沿いにある食堂「いさりび食堂」。この「いさりび食堂」の名物でもあり、僕も大好きな「焼きハマグリ」が“綺麗に開く瞬間”の撮影にADの岡君と共に挑戦しました。

テレビでよく見るハマグリがぱかっと開く瞬間。当然この映像が必要です。ところが、下から火を当てていて、しかも実が大きいため、開いた瞬間、ハマグリの実が開いた貝の上側についてしまうハメに・・・。その後、実に6個のハマグリで挑戦を試みるも全て失敗。食堂の店員さんに相談したら、「絶対に無理だよ」と一言。まぁ~、ハマグリの実が上側に付いちゃってますが、見事に“開く瞬間”を撮ることができました。

そんな訳で、撮影終了後に岡君と昼食を兼ねて、「イワシ寿司」に「アジ寿司」と、九十九里の海の幸を満喫。肉好きで、普段はあまり魚は食べないらしい岡君も、その味には大満足のようでした。

東京からでも車で約1時間30分程、気分転換を兼ねてのドライブには最適な僕のお勧めのスポット。絶対に損はしないと思うので、是非行って見て下さい。

「いさりび食堂」
千葉県山武郡九十九里町不動堂450
TEL:0475-76-2646

STYLEBOOK 「スタッフのお気に入り part 2」
12月27日(土)よる11時30分放送

2008年12月25日木曜日

スタッフのお気に入り 番外編

佐藤充能(リサーチャー/ワイルドな車乗り)

先週の20日、そして今週の27日と、昨年大好評(?)だった企画「スタッフのお気に入り」を放送します。

この「スタッフのお気に入り」、本当にスタッフが愛用していたり、本気で購入したいと考えているモノばかりを紹介していくという、普段の スタイルブック とは一味違った企画になっています。

ちなみに僕のおすすめが登場するのは、2週目の12月27日放送になりますが、時間や構成の関係で、この放送では登場しない僕のお気に入りをご紹介したいと思います。

僕が気分転換したい時に車を飛ばして向う箱根の温泉「一休」。

この一休、同じ敷地内に「天山」という温泉もあり、二つの温泉は入口も一緒。しかし微妙に違いがあり、「天山」の方は温泉に入った後に休憩が出来るスペースやお食事処なんかもあるスーパー温泉的な趣き。一方、僕のおすすめの「一休」は温泉のみ。

では、何故僕が「一休」の方がお勧めかというと、それは「一休」の方が圧倒的に温泉を楽しめるからです。

この「一休」と「天山」、箱根という立地上、東京からも近いこともあり、天気の良い週末などはかなりの混み具合を見せ、駐車場に入るのに何十分か待たされることもあるのですが、そのお客さんの大半は食事が出来たり、温泉の後に休憩の出来る「天山」に集中します。

一方、「一休」の方は温泉のみということもあり、どんなに駐車場が混んでいても必ずゆったりと温泉に入ることが可能。しかも「一休」の方が、温泉からの景色が抜群に良い。

僕もそうなのですが、仕事が忙しくてなかなか予定が立たない、丸々一日の休みが取れないという方にぜひお勧め。気分転換には最適な場所の一つですよ。

STYLEBOOK スタッフのお気に入り Part 2
12月27日(土)よる11時30分放送

2008年12月23日火曜日

コム・デ・ギャルソンの黒

佐藤充能(リサーチャー)


STYLEBOOK では今、年明け早々の企画として、以前このブログにも書いた「色」に焦点を当てた企画が進行しています。その色で世界に評価される企業やブランド、アーティストを特集していくというものです。そこで、今回はその「色」特集の中で登場する「色」と「モノ」を少しだけ紹介。

この企画のきっかけとなったのは、会議の際に、“コム・デ・ギャルソン”の「黒」のように、色が象徴的なブランドと「色」を特集することが出来ないかというものでした。以来、このギャルソンの黒のように、「色」が象徴的なブランドと、その色を色々と(洒落じゃなく)リサーチしていったのですが、やはりギャルソンの黒は、唯一会議の際の例としても挙ったように、今回の特集の中で登場する、特徴的な色を持つブランドの中でも別格だなという印象があります。

それは誤解を恐れずに言うなら、“コム・デ・ギャルソンが「黒」を作りだした”と考えられるからです。皆さんもご存知のように、ギャルソンは今までの既製服の概念を打ち破り、1981年のパリコレで「黒」を使ったコレクションを発表。後に「黒の衝撃」と呼ばれる程の評価を受けました。そしてこれを境に、ファッションの世界で「黒」という色が定着するようになりました。

そして、色が印象的なブランドを調べていると、ギャルソンの功績は単にファッションの世界に黒を作り出した訳ではないと思うようになったのです。例えば今、デザインとして黒を使った電化製品や工業製品などのプロダクトがたくさんありますが、ギャルソン登場以前のプロダクトはT型フォードのように、デザインというよりも量産効果の観点から黒を使ったものがほとんどです。しかし今、明らかにデザインとして黒が利用されているのは、ギャルソンが黒をデザインとして世界に認識させたこと、そして黒という色の価値観を高めたことがきっかけとなっていると感じたからです。

ちなみにそんなギャルソンの黒、僕も幾つか持っていますが、どれも他のブランドの黒とは一味違うと思います。他のブランドの黒は、どれも一口に黒と言う言葉でまとめられますが、ギャルソンの黒は他の黒とは同じ言葉の範疇に入らない独特のものがあります。またその黒の中でも、ギャルソンは製品によって様々な黒があるのも魅力の一つ。

クリスマスプレゼントとして、久しぶりに自分で買っちゃおうかな~。おしまい。

2008年12月17日水曜日

デザインと色

佐藤充能(リサーチャー)

皆さんは、デザインという言葉から最初に何をイメージしますか?

ほとんどの方は、最初に「形」と答えると思います。では「形」の次に、デザインという言葉からイメージするものは何でしょうか? 僕は、それは「色」だと思います。

例えば洋服やインテリアを購入した時の事を考えて下さい。皆さんも身に覚えがあると思いますが、「デザイン=形」は気に入っていても、「自分好みの色」が無くて、結局購入までは至らなかったという事がよくあると思います。これはおそらく、ほとんどの人は自分の好みであるかを始めに、「デザイン=形」で考え、その次に「色=デザイン」と捉えているからではないでしょうか?

では、僕達はいったい何を基準に「色」を判断しているのでしょうか? 僕はその基準は「心地良さ」だと考えています。例えばSTYLEBOOKにも登場しているような長年愛されるブランドには、「色」が特徴となっているブランドが多々あります。おそらく、僕達はその「色」から、ブランドの持つ歴史や伝統を安心や信頼というものに置き換えて受け取っているのではないでしょうか? 

そんな観点から、STYLEBOOKでは、現在「色」という要素からデザインを特集する企画を進行させています。どんなカラー、どんなブランドが登場するか、またその時には登場しない色が特徴的なカラーやブランドを含めて、以降このブログで少しずつ公開していきます。お楽しみに。

2008年12月15日月曜日

大画面の迫力と魅力

石田年弘(ディレクター/生涯モッズで生きる)

撮影に先立ち、ホームシアターということばが生まれた頃から、ホームシアター作りを世に提唱してきた峰松さんを訪ね、大画面を体験させてもらった。

驚いた!絵の美しさと迫力は映画館と変わらない。
その上、どんな時間にどんな姿勢で見ようビールを飲みながらでも、誰からもとがめられることはない自分のための映画館。(奥さんのいない時には)

さらにハイビジョン放送を大画面で楽しむ。スポーツ、紀行もの、F1グランプリ。今までとはまるで別もの。小さい画面では目ない物が見えてくる。映像の向こうの更なる感動が押し寄せてくる。

体感しなければわからない! そして、体感すれば欲しくなる! そんな物に久しぶりに出会った。

STYLEBOOK
「銀幕を我が家に 〜ホームシアター」
12月13日(土)よる12時放送
12月14日(日)よる11時30分再放送

2008年11月29日土曜日

明川哲也SHOW 本日開幕!

篠原和也(構成作家)

今夜放送のスタイルブックは「パワー・オブ・クラシック」第3弾、〈70年代ミュージカル映画〉特集です。明川哲也さんの解説で3本の70年代ミュージカル映画を紹介します。




明川さんはパンクバンド「叫ぶ詩人の会」のドリアン助川として活動を経て、現在は「作家・道化師」として、小説の執筆やライブなどの活動をしています。
ちなみに最新刊は今月14日に発売された小説『星の降る町 〜六甲山の奇跡〜』(メディアファクトリー)です。

↓詳しくはこちらまで。




さて、今回、取り上げるのは『グリース』『ヘアー』『ウィズ』の3作品。
恥ずかしながら初めて観た『ウィズ』だけでなく、ひさしぶりに観た『グリース』と『ヘアー』にも新鮮な印象を受けました。名作映画は何度観ても色あせないものだ、まさにパワー・オブ・クラシック、とあらためて感じました。

STYLEBOOK
「パワー・オブ・クラシック 70年代ミュージカル映画」
11月29日(土)よる11時30分放送
11月30日(日)よる11時30分再放送


2008年11月20日木曜日

革製品全般オーダー Rというブランド


佐藤充能(リサーチャー)

STYLEBOOK では現在、レザー製品を作っている若手アーティストやデザイナー、職人さんを特集する企画が進行中。そこで先日、かつて僕が「スタッフのお気に入り」で紹介した〈革製品全般オーダー R〉をあらためて取材。デザイナー兼職人の木島慎哉さんに、モノ作りに対するこだわりなど色々とお話を伺ってきました。  

ちなみに木島慎哉さんの手掛ける〈革製品全般オーダー R〉とは、靴、鞄、レザーウェア、革小物など、革を素材に使った製品全般をオーダー、またはセミオーダーで展開するブランド。以前はインターネットを中心に注文を受け付けていましたが、今年2008年の7月に工房兼アトリエをオープン。これからのさらなる活躍が期待されるレザーブランドです。  

木島さんのモノ作りに対するこだわりは、「作れるモノは作る」、「無いものは作る」。

通常、自分のブランドや工房を立ち上げたばかりのアーティストや職人さんは、靴や鞄など、製品カテゴリーを限定して製作されている方が多いのですが、木島さんはこのこだわりから “革製品全般”を製作。自らのブランド設立以前に学んだ靴作りの技術をベースに、鞄やレザーウェア作りのノウハウを独学で身に付け、その作品とも言える革製品のバリエーションは年々拡大中。これからはインテリアなど、革を素材に使った立体的な作品を作ることも考えているそうです。  

そんな木島さんも登場予定のレザー製品の若手デザイナーやアーティストの特集は、おそらく年末か年明け早々に放送予定。ご期待下さい。

革製品全般オーダー R

2008年11月19日水曜日

だから着物は新しい


洪 龍吉(ディレクター)

先日着物の回でお世話になる武蔵大学の丸山伸彦先生に取材した時のことです。  

今回は特に、着物を文化として見直そうということをテーマに丸山先生に話していただくのですが、その中で、今や絶滅危惧商品と言ってもいい「男のきもの」に実は復活の可能性があるという話が出ました。

日本の男の服飾は、時代を問わず、機能美を追求してきたそうです。そしてデザイン性は内に秘めるというか、一見すると何の変哲もない部分に工夫を凝らすのが、粋とか通とか言うことになっていくわけです。裏勝りとか、江戸小紋の一見無地に見える細かい文様がその例です。

それが行き着いてしまって、現代は機能美を求める先がなくなっている。すると、未だかつてなかった、逆戻り現象が起こる可能性があって、華美で派手なデザインが男の服飾にも復活するのではないかとのこと。

パソコンの世界でいうと汎用性や使い勝手が良さそうということで、 Windows が圧勝するかに見えたが、Mac がなくならないどころか、盛り返し始めているのに似てるとおっしゃっています。つまり洋服という Window派が現代では当たり前になっているが、遊び心やデザイン性(着物がいかにデザイン性に優れていたかは番組内で紹介します)を求める人がいる限りは、着物というMac派はなくならないということです。何か非常に納得してしまいました。

STYLEBOOK 「男の着物は美しい」 
放送:11月22日(土)よる11時30分
再放送:11月23日(日)よる11時30分

写真 洪 龍吉[STYLEBOOK]

2008年11月12日水曜日

電動アシスト自転車の魅力満載


佐藤充能(リサーチャー)

先日、電動アシスト自転車の2回目のロケで、丸一日電動アシスト自転車を使い込み、改めてその快適さを体験しました。

やはり電動アシスト自転車らしさを、ということで、坂道でも難なく登るシーンを撮影しようと、けっこう急な早稲田近辺の坂道を何往復もしたのですが、坂道なのに従来の自転車で平地を何往復するよりも遥かに快適。電動アシスト自転車、恐るべし!!

ここで撮影の裏話を一つ。都内には急勾配で知られる坂道が幾つかあります。今回のロケでも、そんな急坂として知られる世田谷区岡本三丁目の「富士見坂」に挑戦。

この「富士見坂」、坂道マニアなら恐らくご存知だと思いますが、本当に物凄い急勾配。普通の自転車だったら、たぶん自転車に乗ったまま上る事を躊躇うような坂道です。そんな急坂に電動アシスト自転車で挑んだ結果は・・・?

見事、自転車に乗ったまま坂を上ることに成功! しかし、そこはやはり都内有数の坂道、岡本三丁目の「富士見坂」。電動アシスト自転車の力を持ってしても、かなり急な坂道である事を痛感させてくれるのでした。撮影後にバッテリーの目盛りが一つ減ってたし…。

STYLEBOOK
「もっと遠くへ、もっと軽やかに 〜電動アシスト自転車」
11月15日(土)よる11時30分放送
11月16日(日)よる11時30分再放送
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今回、撮影に協力していただいた パナソニックネットワークマーケティングさんが、ホームページで スタイルブック の紹介をしてくださいました。番組内でも紹介しているチタンフラットロードのページはこちらから。


2008年11月7日金曜日

自動車とフライブルク


佐藤タダシ(フライブルク取材ディレクター/車乗り)

果たして車は便利なのか。最近、そんな事を考えている。

荷物を積む事もあるし、何人も乗せることもある。もしかして悪路も通るかもしれない。結果として、ただガソリンを無駄食いする7人乗りの4輪駆動車を1人で使う生活を送る私。そんな環境に優しくない私にとって、一週間取材で滞在したドイツ・フライブルクは強烈な印象の残る街だった。

世界中でモーダルシフト化が進んでいる。自動車を使わず、公共交通手段に移行する事によって環境を保護しようという考え方だ。

もちろん日本でも取り組んでいる。
しかし、あまり普及していない。

理由は単純だ。
不便。
一度でも便利を味わってしまった人間に新しいシステムを実践してほしいならば、今以上の利便性がないと普及しない。

フライブルク市街地の主要交通手段は路面電車。街の中心部に近い駅には無料駐車場が整備されており、郊外から街へ向かう場合、ここで車を降り、路面電車へと乗り換える事が可能だ。

交通手段を電車にかえさせたいならば、それ相応の対策が必要である。肝心なのは街の人々にとって便利かどうか。

たとえば、時々しか車を使わないような人々が利用するカーシェアリング。日本を始め、欧米のレンタカーは丸1日使用するとなると燃料費込み1万円は覚悟しなければならない。これでは、中古車を購入したほうが、結果的に安く済むと思ってしまうだろう。対してフライブルクのカーシェアリングは2~3000円。軽自動車から大型4輪駆動まで車種も豊富だ。こういうシステムがあるなら、車を持たなくても不便ではない。

世界中で環境保護という命題を掲げて、必死に取り組んでいるが、成果はあまり見えていない。
フライブルクは10年以上環境首都と呼ばれている。それは快適なシステムが考えられているからではないか。

こういうシステムのある街だったら、今すぐ車を降りるのになあ。
そうすれば、僕の経済環境もすこぶる良くなる。

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PS. 次廣 靖(プロデューサー)
今回の スタイルブック にも出演いただいた フライブルク在住のジャーナリスト、村上敦さんが「EUの車の燃費規制とドイツの自動車産業」というタイトルでレポートを書かれています。こちらをご覧下さい。
〈村上敦のフライブルク・エコレポート〉

STYLEBOOK ドイツ・フライブルク特集 第三回
「人が主役の街 〜環境首都・フライブルクの街づくり」

11月8日(土)よる11時30分
11月9日(日)よる11時30分

写真:佐藤タダシ[STYLEBOOK]

フライブルクの子供たち


岡トヲル(ディレクター/制作進行)

私がフライブルクに住んでいたのは10数年前の小学生の頃です。
フライブルク特集の編集をしていると、色々な思い出が頭をよぎります。今回のお話もその一つです。

フライブルクには大小様々な公園がたくさん見られます。休日にもなると色々な家族連れの格好の遊び場となっています。
中でも私のお気に入りだったのが、旧市街地からも近いシュタットガルテン(街の庭)という公園でした。

当時の私にとって、この公園は異次元の空間でした。遊び方のわからない遊具、広大な芝生、底の見えない池、大人同士がやっている巨大なチェス。

さらに背後が山に面しているため、山からロープウェイが出ています。これに乗って山まで行くと、フライブルクを一望できるポイントがあります。

私はよく学校帰りに友人達とアイスを食べながら、この公園で暗くなるまで遊びました。

ドイツでの子供の遊びはなんといってもサッカーです。
「僕も入れてよ」
知らない子供同士でも、そう言うと簡単に仲間に入れてくれます。木と木の間を即席ゴールにして、年齢も国籍も違う子供達が10数人でサッカーをよくやりました。中にはアフリカ系の移民の子供もいたのですが、彼らは力が強いため、彼らがシュートを打つたび、あまりのボールの早さにキーパーの男の子が泣き叫んでいました。

サッカーの休憩中、喉が渇いたのですが、誰もお金を持っていません。公園内をブラブラ歩いていたらバラ園に泉があります。
「この水飲めるんじゃない?」
そういって皆でゴクゴク飲んだ記憶があります。

この間訪れたシュタットガルテンは、当時とほとんど変わる事無く残っていました。ただ、公園内が少しせまく感じましたのは私が大きくなったからでしょうか。しかもバラ園にあったのは泉ではなくただの噴水でした…。今にして思えばよく飲んだなと思います。

STYLEBOOK ドイツ・フライブルク特集第三回
「人が主役の街 〜 環境首都フライブルクの街づくり」
11月8日(土)よる11時30分
11月9日(土)よる11時30分

写真:佐藤タダシ[STYLEBOOK]

2008年11月5日水曜日

環境首都・フライブルクの街づくりを映像で



次廣 靖(プロデューサー)

インターネットの検索で「フライブルク」を探してみてください。

結果のいくつかは、この街へ留学した方たちの思い出(フライブルクにはハイデッガーが教えたことでも知られるフライブルク大学や有名な音楽大学もあり、日本からの留学生がたくさんいます)。またいくつかは、この街への旅行記やドイツ旅行案内が出てくるでしょう。

しかしその大部分は、フライブルクの環境対策についてのページのはずです。

環境首都という形容詞とともに語られるフライブルクには、お手本にしようと世界中から視察団が訪れます。また環境問題を考えている人たちの研究対象にもなっています。

そこでインターネット上でもフライブルクを研究したレポートをたくさん読むことができます。とても役に立つ資料です。

しかし残念ながら、そういうページはやはり文字やグラフや写真で作られています。路面電車が走る姿は見られません。カーシェアリングやパーク・アンド・ライドが具体的にどう行われているかもわかりづらい。環境を考えて作られたヴォーバン地区で遊ぶ子供たちの声は聞こえてきません。

ぜひ今週の「スタイルブック」をご覧下さい。ハイビジョンの映像で、世界から注目されるフライブルクの街づくりを紹介します。

STYLEBOOK ドイツ・フライブルク特集 第三回
「人が主役の街」
11月8日(土)よる11時30分放送

写真:佐藤タダシ[STYLEBOOK]



2008年11月3日月曜日

フライブルクの匂い



佐藤タダシ(ディレクター/買い物好き)

僕は旅行や仕事で街を訪れた際に感じる「その街独特の匂い」に興味を持つ。

アジアはどこでも匂いがあった。
中国・昆明は砂の匂いにする街だった。バリ島・ウブドゥは神に供える花の匂いが街中を覆っていた。

この「匂い」。都市部ではあまり感じない。排気ガスやレストランチェーン店の匂いが邪魔をするからだ。

しかし、今回訪れたドイツ・フライブルクは匂いのする街だった。それは農家の納屋の中に漂うような「時間の止まった匂い」。

深夜2時。大聖堂の前に行ってみた。
この建物のある旧市街地と呼ばれる区域は車は進入禁止。だから排気ガスの匂いはしない。レストランチェーン店もないため、どの街にも漂う同じ匂いがない。

気温は13度。乾燥した空気は明らかに初冬の匂い。

その匂いの中、かすかに感じるのは土の匂い。いや建物の壁の匂いといったほうが正しいだろう。

空を見上げる満天の星空だ。今回の撮影で訪れた「ドイツ・フライブルク」
僕の記憶には映像の他に「匂い」もインプットされた。

STYLEBOOK ドイツ・フライブルク特集 Part 3
「人が主役の街」
11月8日(土)よる11時30分放送


写真:佐藤タダシ[STYLEBOOK]

2008年11月2日日曜日

フライブルクのロイポルツさん

岡トヲル(ディレクター/制作進行)

「スタイルブック」 11月1日の放送は、ドイツ・フライブルク特集第二弾でした。
フライブルクに暮らすロイポルツ夫妻のライフスタイルに着目しています。

実はロイポルツさん夫妻は私の家族の古くからの友人で、十数年前、私がフライブルクに住んでいた時にもお世話になっていました。お二人と私が初めて会った時の事は今も覚えています。

シャイベンシュラーゲンという伝統的なお祭りが復活するので、夫妻に誘われて家族で行った時の事です。

そのお祭りは山の斜面で行うのですが、15cm四方の木板の真ん中をくりぬき、それを150cmくらいの棒にさして火をつけて振り回し、夜空にむかって飛ばすという変わったものでした。
しかも飛ばす前に一言ジョークというか口上を言わなければいけません。

ひととおり祭のスタッフ(?)が飛ばした後、観客に挑戦したい人はいるかと聞いてきます。

「トオルもやってみない?」
奥さんのウルズラさんにすすめられ、私もやる事になりました。

ただジョークが言えなくて、会場でためらっていた私は何を思ったのでしょうか。
「フライブルク最高!」
そう日本語で叫び、ディスクを飛ばしたみたいです。(みたいですというのは、その瞬間の事だけ全く覚えていないからです)

やがて月日は流れ2008年秋。
今回の撮影でロイポルツ夫妻の家にうかがった時の事。
「そうそうこれ覚えているかい?」
夫のヴォルフガングさんが持ってきたのは、なんと私が飛ばした木板だったのです。お祭りの翌日に山まで出かけ、そして拾った木板を今まで保管してくれていました。

「初めて日本人が、しかも日本語で挑戦したからね」と笑って話す夫妻の姿を見てとても嬉しかったです。

フライブルク特集第三弾もよろしくお願いいたします。

STYLEBOOK ドイツ・フライブルク特集 Part 3
「環境首都・フライブルク」
11月8日(土)よる11時30分放送

2008年10月30日木曜日

フライブルクの友達




岡トヲル(ディレクター/制作進行)

今日はドイツ・フライブルクに住んでいた頃の、私の友達の事について書かせて頂きます。

私は今から十数年前、10歳の時にフライブルクのカールツシューレというギムナジウム(小学生〜高校生が通う学校)に通っていました。

そこは国際都市フライブルクならではの学校で、国籍もフィンランド、ルーマニアもいればトルコやアフガニスタンなど世界各地の子供達が通っていました。けれども極東から来たのは私だけで、当初クラスの皆は物珍しそうにまじまじと私を観察しに集ってきました。

他の子供達は、アルファベットの基礎があったり、何年も住んでいるためドイツ語はペラペラでしたが、私はそうはいかず、ただ毎日ボーっとしているだけでした。

そんなある日、ポーランド人のアダムという男の子が、私に話しかけてくれるようになり、いつの間にか互いの家に遊びに出かける仲にまでなりました。今振り返ると、毎回片言のドイツ語と身振り手振り、そんな日本人によく付き合ってくれたなと思います。

おそらく彼がいなければ、私は引きこもりになっていたんじゃないかな。

今回ロケでフライブルクに来た際に、ダメもとで連絡をとってみたところ、なんと電話に本人が出てくれたのです。嬉しい事に私の事も覚えていてくれました。残念ながら、ドイツの他の都市に一人暮らしをしていて会えませんでしたが、親子でフライブルクでヴァイオリンコンサートを開いたりと、今では音楽家の道を歩んでいるみたいです。

同級生の活躍に刺激をうけながら、ただ今 編集をしております。
フライブルク特集第二弾もよろしくお願いいたします。

STYLEBOOK ドイツ・フライブルク特集 Part 2
「この街に住むということ」
11月1日(土)夜11時30分放送
再放送は中止になりました。

写真:佐藤タダシ[STYLEBOOK]

2008年10月29日水曜日

ドイツの素敵なご夫婦


佐藤タダシ(ディレクター/モノ好き)

今週の STYLEBOOK はドイツ・フライブルクに住む夫婦の特集。

率先的にエコライフを送るロイポルツさん夫妻を3日間にわたって取材。その間、自宅、菜園、買い物など様々なシーンに密着させていただいた。

さすがの強行日程にご夫妻も疲れてしまうのではと危惧したが、まるで逆。普段から客を招くことに喜びを感じている二人にとって、我々も客らしい。市場で買ったクルミをしきりにすすめてくる。

自宅での撮影での事。
奥様の調理シーンを収録したのですが、二人暮らしなのにどうも量が多い。人参、玉ねぎは各4個、牛肉は1.3キロ。何日分のおかずなんだ...。

ふと、気付いた。
そうか、彼女は我々にごちそうするために作っていたのだ。

撮影も終了し、みんな揃って食事。グラーシュと呼ばれる欧風煮込み料理やキノコ入りラビオリなどを振る舞っていただいたが、どれも美味しい。そして「美味しい」といえば、当然のように「おかわり」をくれる。

勘弁して下さいという程、料理を堪能した我々であったが、ラストにはデザートが待っていた。砂糖漬けプラムをたっぷり使ったパイのお出ましである。直径30センチはあろうかというキングサイズ。

もう胃袋に隙間はない。しかし、せっかく作っていただいたデザート。食べなければいけない。

テーブル上のプラムパイは全8切れ。撮影スタッフは5人。夫婦はぜひ食べて欲しいらしく、手を付けない。えーい、ままよ。お腹いっぱいだけどワインで押し込めばなんとかなるだろう。

「旨い!」
絶妙な酸味が食欲を刺激する。

どうやら僕の食べっぷりに奥様は嬉しくなったようだ。僕の皿の上には残り3切れが載っていた。もちろん「美味しい!」とすべてを平らげた。

それを見た奥様が一言。
「もう一枚あるわよ」

ロイポルツ夫妻は本当に素敵な夫婦である。

STYLEBOOK ドイツ・フライブルク特集 Part 2
「この街に住むということ」
11月1日(土)夜11時30分放送

写真:佐藤タダシ[STYLEBOOK]

文字と人間



次廣 靖(プロデューサー)

原宿ラフォーレミュージアムに「Helvetica」の展示を見てきました(10月28日までで終了しています)。

Helvetica ヘルベチカ とは世界で最も有名な書体のことです。今ではコンピュータ用のフォントとしても使われているので、名前を見たことがある人も多いことだと思います。



1950年代末に作られたこの書体がどれだけ世界を席巻し、今でも全てのデザインに影響を与えているか、ということがわかる展示でした。ポスターや商品パッケージや企業ロゴなど、あれ見たことあるというものがたくさん並んでいました。

面白かったのが1964年の東京オリンピックの競技プログラムです。モダンデザインのお手本のような表紙で、かっちりとした Helvetica という書体が、このイベントの新しさや国際性を表現していたんだなということが良くわかりました。

会場では Helvetica の誕生と影響を解説するドキュメンタリー映画が上映されていました。今のデザイナーが、前時代のデザインばかりだった50年代末から60年代初め、 Helvetica が初めて登場した時の人々へ与えた衝撃をこのように言い表していました。

「まるで砂漠を歩き続けて来た後、冷たい水を飲んだ時のよう」

なんと、素敵な表現。Helvetica の持つ意味の大きさをよく伝えてくれます。

この言葉を聞いて、以前 STYLEBOOK でお話をうかがった字游工房の鳥海(とりのうみ)さんの言葉を思い出しました。鳥海さんは、ぼくたちが大好きなフォント、ヒラギノを作ったチームの一人です。

「これからも、水のような、空気のような、書体を作って行かなければいけない」

文字は人間のアイデンティティの一つ、とても人間的なものです。だから一つ一つの文字は音や意味を表す記号ではなく、それ以上の大きな意味を持っているのではないかと思います。そんなことを考えました。 

2008年10月28日火曜日

ドイツと日本のクラインガルテン

佐藤充能(リサーチャー)

STYLEBOOK のドイツ・フライブルク特集。第2弾はいよいよ、地元フライブルクに住むロイポルツさん夫妻の生活を一日「おっかけ取材」します。本や映画で見るドイツではなく、リアルなフライブルクの住民の生活はどういうものか? とても貴重な映像だと思います。

今回ご紹介する場所の一つがフライブルクのクラインガルテン。

クラインガルテンとはドイツでは法律にも制定されている農地の貸借制度で、利用者はその土地にラウベと呼ばれる小屋を建て、野菜や果物を栽培することが出来るというものです。

実は、STYLEBOOKでも今から2年程前に、茨城県の笠間市にある「笠間クラインガルテン」を取材しています。

この笠間クラインガルテンも含めて、日本のクラインガルテンの良いところは、ドイツのクラインガルテンとは違って、ラウベに宿泊可能するこが出来るので、より別荘的な使い方が出来ること。

またクラインガルテンの中で、野菜を作る際に使う道具を貸し出していたり、種なども販売している所が多いので、初心者でも安心して農業体験をする事が挙げられます。

ライフスタイルの一つのアクセントとして、都会の喧騒を離れて週末だけの農業体験が出来るクラインガルテン。是非、取り入れてみては如何でしょうか?


写真 フライブルクのクラインガルテン:岡 亨[STYLEBOOK]

スタイルブック
ドイツ・フライブルク特集 第2弾
「この街に暮らすということ」
11月1日(土)よる11時30分放送 

2008年10月26日日曜日

電動アシスト自転車 撮影開始


佐藤充能(リサーチャー/ワイルドな車乗り)



11月中旬放送予定の「電動アシスト自転車」のロケがスタート。

ロケ一日目となる昨日は、世界初の電動アシストリカンベント「Tartaruga Type RE」を撮影してきました。

車輌の貸し出し、撮影にご協力を頂いたのは、葛飾区の京成お花茶屋駅の商店街にある「サイクルハウスしぶやお花茶屋店」。フォールディングバイクと小径車の専門店で、完成車とパーツの販売、カスタム、試乗サービスなども行っています。

サイクルハウスしぶやで、初体験となるリカンベントの簡単な乗り方のコツの説明を受けて、撮影場所の水元公園まで約15分程「Tartaruga Type RE」を試乗。まるでリビングの椅子に腰を掛けたままの姿勢でペダルを漕ぐ感覚は、それだけで普通の自転車とは一味も二味も違う楽しさがあります。またその独特の姿勢から得られるアイポイントの低さは、自転車を乗りたての子供の頃の気分に戻る事が出来ます。

そんなこともあって、撮影場所の水元公園まの移動はちょっとした冒険という感じ。またリカンベントに乗っていると信号待ちの間で、隣に停まった自転車のおじさんやおばさんに話掛けられるので、楽しさも倍増。しかもこいつはただのリカンベントではなく、電動アシスト搭載なので移動自体は快適そのもの。

撮影終了後のサイクルハウスしぶやさんまでの戻り道は、少し雨が降っていたのにも係わらず、行きとは別の道を通って楽しんでしまいました。

写真:佐藤充能[STYLEBOOK]

〈サイクルハウスしぶやお花茶屋店〉
東京都葛飾区お花茶屋1-26-2
TEL:03-5650-2510 

2008年10月25日土曜日

フライブルク特集、いよいよ今夜!



こんにちは岡です。

先日、フライブルクについて書かせてもらいましたが、
今回も私の昔話におつきあいいただければと思います。



私がフライブルクで十数年前住んでいた家は、通っていた小学校から2キロ以上離れていました。バスも通っていたんですが、私はこれに乗るのがたまらなく嫌で、いつも40分以上かけて歩いていました。なぜ嫌かというと、そのバスは学校までは行かないので、近くで降りて共同墓地の中を抜けて行かなければいけなかったのです。

当時9歳だった私にとって、墓地なんて怖いイメージしかありませんでした。

けれどもある時、遅刻しそうになって、仕方なしにバスに乗らなければいけなくなりました。
「おい知ってるか? あの墓地の赤い建物、あれは火葬場なんだ。毎日あそこで人を焼いているんだぜ。」
そう友達のドイツ人に聞いていた私は、なるべく赤い建物を見ずに、ただただ下を向きながら全力疾走して墓地を突っ切った思い出があります。

先日のロケで、その共同墓地の近くに行ったのでちょっと立ち寄ったのですが、緑のきれいなのどかな空間という印象でした。

子供心でイメージを膨らませすぎたのでしょう。けれども何よりも驚いたのは、子供の頃は恐怖の対象でしかなかったあの赤い建物が、火葬場ではなく実は教会だったという事です。

できればその事実は知りたくなかったあ…と思いながらも毎日フライブルクの映像を編集しています。

そんなドイツ・フライブルク特集の第一弾は、いよいよ
10月25日深夜0時15分放送(土曜の夜の12時15分)です。
お楽しみに。 

写真:佐藤タダシ[STYLEBOOK] 

2008年10月23日木曜日

人が主役の街、フライブルク




渋谷康人(STYLEBOOKスーパーバイザー/モノジャーナリスト)


10月25日(土)から全3回で放送されるドイツ・フライブルク特集。

過去2回ほど、市の中心と郊外と、それぞれ1週間に渡って滞在したことがあるのですが、今思い返しても本当に気分の良い街でした。

その理由は「人が主役」の街作り。

ドイツは自動車大国ですが、自動車を市の中心から排除する街が増えています。ベンツやポルシェのお膝元、シュツットガルトもそう。

そして、このお手本になったのが、他ならぬフライブルク。
自動車を排除することで、街の中心の広場に人が集まり、人が主役になったんです。

ハイビジョン映像で、そのリアルな魅力をぜひ感じてください。

ドイツ・フライブルク特集の第一弾は
10月25日深夜0時15分放送(土曜の夜の12時15分です)。 

写真:渋谷康人(2003年撮影) 


2008年10月22日水曜日

旅番組の魅力とは


次廣 靖(プロデューサー)

先日のエッセイでフライブルクで過ごしたことを書いた岡くんと違い、ぼくたちが子供の頃は(内容で年齢をお察しください)外国を知るには小説やテレビや映画しかありませんでした。「兼高かおる 世界の旅」「すばらしい世界旅行」で見る外国はやはり宇宙と同じぐらい遠く感じたものです。

やがて海外を紹介する番組が増え、いわゆる名所旧跡はほとんどテレビで紹介されるようになりました。また「世界まるごとHOWマッチ」のような番組が、その国の美しい所、豪華な所だけでなく醜い所や貧しい所も紹介するようになり、テレビでも本当に外国のことを身近にわかるようになってきました。

STYLEBOOK は海外取材番組ではないので、特に意識するわけではないのですが、他と同じような内容や構成の番組を作るつもりは全くない。だとしたらどんなことができるだろう。今回のドイツ・フライブルク取材では、取材前にまずそういうことを考えました。

「環境首都・フライブルク」これは大きなテーマです。しかしNPOのレポートビデオではないですから、それだけではつまらない。そこで、(フライブルクに住んでいた岡くんの家族も含めて)街のことを色々調べているうちにわかってきたのが、この街の魅力は、行政としての環境問題解決だけではなく、自然な街の人々の生き方だということでした。

今回のドイツ・フライブルク特集は、だからある日のフライブルクの普通の様子、普通の人々が取材されています。もちろん歴史がある魅力的な街ですから、建物や町並みなどの旅番組としての面白さも満点です。それに加えてフライブルクでリアルに生活している人たちが出演します。

そこからその街の全てを知ることはできないかもしれない。しかし、その街の名所を観光するだけではわからない何かがわかる。そんな番組になっているはずです。お楽しみに。
写真:佐藤タダシ[STYLEBOOK]

ドイツ・フライブルク特集の第一弾は
10月25日深夜0時15分放送(土曜の夜の12時15分です)。

履いてみました

佐藤充能(リサーチャー/ワイルドな車乗り)

最近、久しぶりに大きな買い物をしました。


何買ったって?
それはね、昨年の STYLEBOOK の「スタッフフェイバリット」で、僕が挙げたタイヤ「ポテンザRE050」です。やっぱり紹介したからには、実際に自分で購入しないと。一年経ちましたが有言実行。

そんなこともあり、先日久しぶりの一泊旅行で我が愛車アコードユーロRを駆り、長野の松本までロングドライブ。高速とかワインディングじゃないと滅多に使わない6速マニュアルを駆使してのドライブは実に爽快。

最近、GT-RやM3などの高性能な2ペダル・マニュアルを搭載したスポーツカーが続々と登場して、従来からの3ペダルのマニュアル車は忘れさられよとしていますが、車を操る醍醐味という点ではまだまだ負けないのでは。そんな事を考えながら、今日もガチャガチャと6個のギアを操っています。

2008年10月21日火曜日

思い出の街、ドイツ・フライブルク


岡トヲル(ディレクター/制作進行)

実は、ドイツのフライブルクという街は、僕が小学生の頃過ごした街なんです。

この街の特徴は、中世の街並がそっくりそのまま残っていて、しかも今でも施設として使われていること。街には13世紀に建てられた門があるのですが、この門の下を路面電車でくぐるのがたまらなく気持ちいい。

そして道路の両脇に流れる、幅30㎝、深さ20㎝のベッヒレという水路。これはなんと12世紀からあるものなんです。

近くの川から水を引いて流しているんですけれども、夏に学校の友達と水路で水遊びをよくしました。

そんなノスタルジックな気分を感じながら、編集快調です!



不思議な街のドイツ・フライブルク特集の第一弾は
10月25日深夜0時15分放送(土曜の夜の12時15分です)。
お楽しみに!
写真:佐藤タダシ(STYLEBOOK)

2008年10月20日月曜日

数字に出ること、出ないこと

またまた Apple の話(しかも孫引き)で始めて恐縮ですが、こんなエピソードがあります。

何年か前、世間的に見ると小さい Macintosh のシェアについて報道陣にきかれてスティーヴ・ジョブズはこう答えたと言います。「シェアが小さいことはあまり気にしていない。BMWのシェアが小さいからといってBMWに意味がないと考える人間がいるだろうか?」

STYLEBOOKのようなBSデジタル放送の番組は、地上波の番組と比べて明らかに視聴者の数は少ないようです(これも自分で計った訳ではないので想像ですが)。しかし世の中にはあえて地上波のゴールデンタイムの番組ではなく STYLEBOOK を選ぶと言ってくださるお客様が増えているというのが、実感としてわかります。

よくあるのが、スタッフが取材にうかがうと、よく取材先の方が「知っていますよ」「いつも見ています」とおっしゃってくださることです。

つい先日も嬉しい話をききました。
番組で取材にうかがった銀座 髙橋洋服店さんに、放送を伝えていなかった銀座のお仲間から「スタイルブックに出てたでしょ」と連絡が来たそうです。さすが銀座の方たちはお目が高い。お客さまとして出ていただいた青山さんもヨット仲間から「スタイルブックに出てらした方ですね」と言われたと聞いています。さすがヨットマンはお目が高い。

ほかのお店でも、番組を見たと言ってお店にみえる方が増えた、ということをよくうかがいます。STYLEBOOKが扱うテーマや作り方が、対象にしているみなさんと合っているということでしょうか?

テレビ番組である限りたくさんの方に見ていただきたいのは当然のこと。本当に番組を気に入ってくださる方たちを裏切らずにそういうことができれば一番だな、と制作スタッフ全員考えています。シェアが小さいと言われた Macintosh も着実に使う人が増えているようですからね。

そんな僕たちの最新の渾身企画が「幸せな街、ドイツ・フライブルク」
10月25日(土)深夜0時15分(土曜の夜12時15分のことです)放送です。
よろしくお願いします。

30万円のスーツの価値

先日放送されたスタイルブックでお話をうかがった 銀座 髙橋洋服店の誂えのスーツは「315,000円前後から」という値段になっています。生地や作りに凝れば当然もっと高くなります。

「普通の人」の感覚でいうと「量販店で数万円で買えるのにそんな高い背広を…」と思うのは当然かもしれません。

しかし、30万円のスーツは10年たってもりっぱに着続けられるものです。作って行く過程でお店の人とじっくり話し合うことになるので、できあがった時には本当に自分のことをわかってくれる洋服店を見つけることになります。主治医を持つようなものでしょうか。

つるしの背広を何の感慨もなく着つぶして10年過ごすのと、着る度に誇りを思い出す服を持つのとどっちが幸せでしょう。

とはいえ、先立つ物が無ければ話も始まらないんですけどね。

髙橋洋服店
(もしちゃんと表示されていないとしたら、髙の字は「はしご高」です)
http://www.ginza-takahashi.co.jp/

2008年10月19日日曜日

平安・鎌倉時代から続くホテル

10月25日(土)放送のスタイルブックでご紹介するドイツの街フライブルク。

日本ではそれほど「メジャー」な所ではありませんが、実はドイツだけではなくスイスを訪れる人にとっても便利な場所にあります。世界最大の時計と宝飾品の見本市・バーゼルフェアが催されるスイスのバーゼル市から50km。フライブルクをバーゼル取材の拠点にする人もいて、我が番組のスーパーバイザー、〈モノジャーナリスト〉の渋谷康人さんも泊まったことがあるそうです。ですから世界中の観光客が集まる場所でもあるのです。ドイツ旅行でどこか面白い所を、と考えているかたにもおすすめです。

今回、スタイルブックのスタッフが宿泊したのが旧市街(街の中心地)にあるホテル ツム・ローテン・ベーレン。日本語に訳すと「赤熊亭」でしょうか。創立はなんと街ができた1120年にまでさかのぼり、現在のような形になったのは1311年といわれています。現在の支配人はそこから数えて51代目!

もちろん25日放送の番組ではこのホテル ツム・ローテン・ベーレンも紹介します。
お楽しみに!

STYLEBOOK 特集「過去と未来をつなぐ街」
10月25日(土)深夜0時15分から(土曜の夜の12時15分です)

ドイツの街から

スタイルブックでは 10月25日(土)から3週連続で海外取材の特集を放送します。

紹介するのはドイツのフライブルク。ドイツ、イタリア、スイスの国境近くにある古い町です。テレビの番組でドイツ取材といえば、たいていミュンヘンやフランクフルトやベルリンなどの都市や、自動車などのブランドを撮影することが多いと思います。しかし スタイルブック はフライブルクを選びました。

それは何故か?

理由はいくつもありますが、その一つは、この街が環境先進国といわれるドイツの中でも「環境首都」と呼ばれていること。しかしエコロジー、エコロジーと声高に言うのでは無く、普段の生活が自然と環境を意識するものになっていることです。

日本で言えば、東京オリンピック以前の良い所を残しつつ、新しいシステムを取り入れている、という感じでしょうか。映像を見ていただければ良くわかっていただけると思います。

第一回の放送は10月25日(土)深夜0時15分から(土曜の夜の12時15分です)。遅い時間ですが、ぜひお楽しみに。