2008年11月19日水曜日

だから着物は新しい


洪 龍吉(ディレクター)

先日着物の回でお世話になる武蔵大学の丸山伸彦先生に取材した時のことです。  

今回は特に、着物を文化として見直そうということをテーマに丸山先生に話していただくのですが、その中で、今や絶滅危惧商品と言ってもいい「男のきもの」に実は復活の可能性があるという話が出ました。

日本の男の服飾は、時代を問わず、機能美を追求してきたそうです。そしてデザイン性は内に秘めるというか、一見すると何の変哲もない部分に工夫を凝らすのが、粋とか通とか言うことになっていくわけです。裏勝りとか、江戸小紋の一見無地に見える細かい文様がその例です。

それが行き着いてしまって、現代は機能美を求める先がなくなっている。すると、未だかつてなかった、逆戻り現象が起こる可能性があって、華美で派手なデザインが男の服飾にも復活するのではないかとのこと。

パソコンの世界でいうと汎用性や使い勝手が良さそうということで、 Windows が圧勝するかに見えたが、Mac がなくならないどころか、盛り返し始めているのに似てるとおっしゃっています。つまり洋服という Window派が現代では当たり前になっているが、遊び心やデザイン性(着物がいかにデザイン性に優れていたかは番組内で紹介します)を求める人がいる限りは、着物というMac派はなくならないということです。何か非常に納得してしまいました。

STYLEBOOK 「男の着物は美しい」 
放送:11月22日(土)よる11時30分
再放送:11月23日(日)よる11時30分

写真 洪 龍吉[STYLEBOOK]