2008年11月29日土曜日

明川哲也SHOW 本日開幕!

篠原和也(構成作家)

今夜放送のスタイルブックは「パワー・オブ・クラシック」第3弾、〈70年代ミュージカル映画〉特集です。明川哲也さんの解説で3本の70年代ミュージカル映画を紹介します。




明川さんはパンクバンド「叫ぶ詩人の会」のドリアン助川として活動を経て、現在は「作家・道化師」として、小説の執筆やライブなどの活動をしています。
ちなみに最新刊は今月14日に発売された小説『星の降る町 〜六甲山の奇跡〜』(メディアファクトリー)です。

↓詳しくはこちらまで。




さて、今回、取り上げるのは『グリース』『ヘアー』『ウィズ』の3作品。
恥ずかしながら初めて観た『ウィズ』だけでなく、ひさしぶりに観た『グリース』と『ヘアー』にも新鮮な印象を受けました。名作映画は何度観ても色あせないものだ、まさにパワー・オブ・クラシック、とあらためて感じました。

STYLEBOOK
「パワー・オブ・クラシック 70年代ミュージカル映画」
11月29日(土)よる11時30分放送
11月30日(日)よる11時30分再放送


2008年11月20日木曜日

革製品全般オーダー Rというブランド


佐藤充能(リサーチャー)

STYLEBOOK では現在、レザー製品を作っている若手アーティストやデザイナー、職人さんを特集する企画が進行中。そこで先日、かつて僕が「スタッフのお気に入り」で紹介した〈革製品全般オーダー R〉をあらためて取材。デザイナー兼職人の木島慎哉さんに、モノ作りに対するこだわりなど色々とお話を伺ってきました。  

ちなみに木島慎哉さんの手掛ける〈革製品全般オーダー R〉とは、靴、鞄、レザーウェア、革小物など、革を素材に使った製品全般をオーダー、またはセミオーダーで展開するブランド。以前はインターネットを中心に注文を受け付けていましたが、今年2008年の7月に工房兼アトリエをオープン。これからのさらなる活躍が期待されるレザーブランドです。  

木島さんのモノ作りに対するこだわりは、「作れるモノは作る」、「無いものは作る」。

通常、自分のブランドや工房を立ち上げたばかりのアーティストや職人さんは、靴や鞄など、製品カテゴリーを限定して製作されている方が多いのですが、木島さんはこのこだわりから “革製品全般”を製作。自らのブランド設立以前に学んだ靴作りの技術をベースに、鞄やレザーウェア作りのノウハウを独学で身に付け、その作品とも言える革製品のバリエーションは年々拡大中。これからはインテリアなど、革を素材に使った立体的な作品を作ることも考えているそうです。  

そんな木島さんも登場予定のレザー製品の若手デザイナーやアーティストの特集は、おそらく年末か年明け早々に放送予定。ご期待下さい。

革製品全般オーダー R

2008年11月19日水曜日

だから着物は新しい


洪 龍吉(ディレクター)

先日着物の回でお世話になる武蔵大学の丸山伸彦先生に取材した時のことです。  

今回は特に、着物を文化として見直そうということをテーマに丸山先生に話していただくのですが、その中で、今や絶滅危惧商品と言ってもいい「男のきもの」に実は復活の可能性があるという話が出ました。

日本の男の服飾は、時代を問わず、機能美を追求してきたそうです。そしてデザイン性は内に秘めるというか、一見すると何の変哲もない部分に工夫を凝らすのが、粋とか通とか言うことになっていくわけです。裏勝りとか、江戸小紋の一見無地に見える細かい文様がその例です。

それが行き着いてしまって、現代は機能美を求める先がなくなっている。すると、未だかつてなかった、逆戻り現象が起こる可能性があって、華美で派手なデザインが男の服飾にも復活するのではないかとのこと。

パソコンの世界でいうと汎用性や使い勝手が良さそうということで、 Windows が圧勝するかに見えたが、Mac がなくならないどころか、盛り返し始めているのに似てるとおっしゃっています。つまり洋服という Window派が現代では当たり前になっているが、遊び心やデザイン性(着物がいかにデザイン性に優れていたかは番組内で紹介します)を求める人がいる限りは、着物というMac派はなくならないということです。何か非常に納得してしまいました。

STYLEBOOK 「男の着物は美しい」 
放送:11月22日(土)よる11時30分
再放送:11月23日(日)よる11時30分

写真 洪 龍吉[STYLEBOOK]

2008年11月12日水曜日

電動アシスト自転車の魅力満載


佐藤充能(リサーチャー)

先日、電動アシスト自転車の2回目のロケで、丸一日電動アシスト自転車を使い込み、改めてその快適さを体験しました。

やはり電動アシスト自転車らしさを、ということで、坂道でも難なく登るシーンを撮影しようと、けっこう急な早稲田近辺の坂道を何往復もしたのですが、坂道なのに従来の自転車で平地を何往復するよりも遥かに快適。電動アシスト自転車、恐るべし!!

ここで撮影の裏話を一つ。都内には急勾配で知られる坂道が幾つかあります。今回のロケでも、そんな急坂として知られる世田谷区岡本三丁目の「富士見坂」に挑戦。

この「富士見坂」、坂道マニアなら恐らくご存知だと思いますが、本当に物凄い急勾配。普通の自転車だったら、たぶん自転車に乗ったまま上る事を躊躇うような坂道です。そんな急坂に電動アシスト自転車で挑んだ結果は・・・?

見事、自転車に乗ったまま坂を上ることに成功! しかし、そこはやはり都内有数の坂道、岡本三丁目の「富士見坂」。電動アシスト自転車の力を持ってしても、かなり急な坂道である事を痛感させてくれるのでした。撮影後にバッテリーの目盛りが一つ減ってたし…。

STYLEBOOK
「もっと遠くへ、もっと軽やかに 〜電動アシスト自転車」
11月15日(土)よる11時30分放送
11月16日(日)よる11時30分再放送
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今回、撮影に協力していただいた パナソニックネットワークマーケティングさんが、ホームページで スタイルブック の紹介をしてくださいました。番組内でも紹介しているチタンフラットロードのページはこちらから。


2008年11月7日金曜日

自動車とフライブルク


佐藤タダシ(フライブルク取材ディレクター/車乗り)

果たして車は便利なのか。最近、そんな事を考えている。

荷物を積む事もあるし、何人も乗せることもある。もしかして悪路も通るかもしれない。結果として、ただガソリンを無駄食いする7人乗りの4輪駆動車を1人で使う生活を送る私。そんな環境に優しくない私にとって、一週間取材で滞在したドイツ・フライブルクは強烈な印象の残る街だった。

世界中でモーダルシフト化が進んでいる。自動車を使わず、公共交通手段に移行する事によって環境を保護しようという考え方だ。

もちろん日本でも取り組んでいる。
しかし、あまり普及していない。

理由は単純だ。
不便。
一度でも便利を味わってしまった人間に新しいシステムを実践してほしいならば、今以上の利便性がないと普及しない。

フライブルク市街地の主要交通手段は路面電車。街の中心部に近い駅には無料駐車場が整備されており、郊外から街へ向かう場合、ここで車を降り、路面電車へと乗り換える事が可能だ。

交通手段を電車にかえさせたいならば、それ相応の対策が必要である。肝心なのは街の人々にとって便利かどうか。

たとえば、時々しか車を使わないような人々が利用するカーシェアリング。日本を始め、欧米のレンタカーは丸1日使用するとなると燃料費込み1万円は覚悟しなければならない。これでは、中古車を購入したほうが、結果的に安く済むと思ってしまうだろう。対してフライブルクのカーシェアリングは2~3000円。軽自動車から大型4輪駆動まで車種も豊富だ。こういうシステムがあるなら、車を持たなくても不便ではない。

世界中で環境保護という命題を掲げて、必死に取り組んでいるが、成果はあまり見えていない。
フライブルクは10年以上環境首都と呼ばれている。それは快適なシステムが考えられているからではないか。

こういうシステムのある街だったら、今すぐ車を降りるのになあ。
そうすれば、僕の経済環境もすこぶる良くなる。

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PS. 次廣 靖(プロデューサー)
今回の スタイルブック にも出演いただいた フライブルク在住のジャーナリスト、村上敦さんが「EUの車の燃費規制とドイツの自動車産業」というタイトルでレポートを書かれています。こちらをご覧下さい。
〈村上敦のフライブルク・エコレポート〉

STYLEBOOK ドイツ・フライブルク特集 第三回
「人が主役の街 〜環境首都・フライブルクの街づくり」

11月8日(土)よる11時30分
11月9日(日)よる11時30分

写真:佐藤タダシ[STYLEBOOK]

フライブルクの子供たち


岡トヲル(ディレクター/制作進行)

私がフライブルクに住んでいたのは10数年前の小学生の頃です。
フライブルク特集の編集をしていると、色々な思い出が頭をよぎります。今回のお話もその一つです。

フライブルクには大小様々な公園がたくさん見られます。休日にもなると色々な家族連れの格好の遊び場となっています。
中でも私のお気に入りだったのが、旧市街地からも近いシュタットガルテン(街の庭)という公園でした。

当時の私にとって、この公園は異次元の空間でした。遊び方のわからない遊具、広大な芝生、底の見えない池、大人同士がやっている巨大なチェス。

さらに背後が山に面しているため、山からロープウェイが出ています。これに乗って山まで行くと、フライブルクを一望できるポイントがあります。

私はよく学校帰りに友人達とアイスを食べながら、この公園で暗くなるまで遊びました。

ドイツでの子供の遊びはなんといってもサッカーです。
「僕も入れてよ」
知らない子供同士でも、そう言うと簡単に仲間に入れてくれます。木と木の間を即席ゴールにして、年齢も国籍も違う子供達が10数人でサッカーをよくやりました。中にはアフリカ系の移民の子供もいたのですが、彼らは力が強いため、彼らがシュートを打つたび、あまりのボールの早さにキーパーの男の子が泣き叫んでいました。

サッカーの休憩中、喉が渇いたのですが、誰もお金を持っていません。公園内をブラブラ歩いていたらバラ園に泉があります。
「この水飲めるんじゃない?」
そういって皆でゴクゴク飲んだ記憶があります。

この間訪れたシュタットガルテンは、当時とほとんど変わる事無く残っていました。ただ、公園内が少しせまく感じましたのは私が大きくなったからでしょうか。しかもバラ園にあったのは泉ではなくただの噴水でした…。今にして思えばよく飲んだなと思います。

STYLEBOOK ドイツ・フライブルク特集第三回
「人が主役の街 〜 環境首都フライブルクの街づくり」
11月8日(土)よる11時30分
11月9日(土)よる11時30分

写真:佐藤タダシ[STYLEBOOK]

2008年11月5日水曜日

環境首都・フライブルクの街づくりを映像で



次廣 靖(プロデューサー)

インターネットの検索で「フライブルク」を探してみてください。

結果のいくつかは、この街へ留学した方たちの思い出(フライブルクにはハイデッガーが教えたことでも知られるフライブルク大学や有名な音楽大学もあり、日本からの留学生がたくさんいます)。またいくつかは、この街への旅行記やドイツ旅行案内が出てくるでしょう。

しかしその大部分は、フライブルクの環境対策についてのページのはずです。

環境首都という形容詞とともに語られるフライブルクには、お手本にしようと世界中から視察団が訪れます。また環境問題を考えている人たちの研究対象にもなっています。

そこでインターネット上でもフライブルクを研究したレポートをたくさん読むことができます。とても役に立つ資料です。

しかし残念ながら、そういうページはやはり文字やグラフや写真で作られています。路面電車が走る姿は見られません。カーシェアリングやパーク・アンド・ライドが具体的にどう行われているかもわかりづらい。環境を考えて作られたヴォーバン地区で遊ぶ子供たちの声は聞こえてきません。

ぜひ今週の「スタイルブック」をご覧下さい。ハイビジョンの映像で、世界から注目されるフライブルクの街づくりを紹介します。

STYLEBOOK ドイツ・フライブルク特集 第三回
「人が主役の街」
11月8日(土)よる11時30分放送

写真:佐藤タダシ[STYLEBOOK]



2008年11月3日月曜日

フライブルクの匂い



佐藤タダシ(ディレクター/買い物好き)

僕は旅行や仕事で街を訪れた際に感じる「その街独特の匂い」に興味を持つ。

アジアはどこでも匂いがあった。
中国・昆明は砂の匂いにする街だった。バリ島・ウブドゥは神に供える花の匂いが街中を覆っていた。

この「匂い」。都市部ではあまり感じない。排気ガスやレストランチェーン店の匂いが邪魔をするからだ。

しかし、今回訪れたドイツ・フライブルクは匂いのする街だった。それは農家の納屋の中に漂うような「時間の止まった匂い」。

深夜2時。大聖堂の前に行ってみた。
この建物のある旧市街地と呼ばれる区域は車は進入禁止。だから排気ガスの匂いはしない。レストランチェーン店もないため、どの街にも漂う同じ匂いがない。

気温は13度。乾燥した空気は明らかに初冬の匂い。

その匂いの中、かすかに感じるのは土の匂い。いや建物の壁の匂いといったほうが正しいだろう。

空を見上げる満天の星空だ。今回の撮影で訪れた「ドイツ・フライブルク」
僕の記憶には映像の他に「匂い」もインプットされた。

STYLEBOOK ドイツ・フライブルク特集 Part 3
「人が主役の街」
11月8日(土)よる11時30分放送


写真:佐藤タダシ[STYLEBOOK]

2008年11月2日日曜日

フライブルクのロイポルツさん

岡トヲル(ディレクター/制作進行)

「スタイルブック」 11月1日の放送は、ドイツ・フライブルク特集第二弾でした。
フライブルクに暮らすロイポルツ夫妻のライフスタイルに着目しています。

実はロイポルツさん夫妻は私の家族の古くからの友人で、十数年前、私がフライブルクに住んでいた時にもお世話になっていました。お二人と私が初めて会った時の事は今も覚えています。

シャイベンシュラーゲンという伝統的なお祭りが復活するので、夫妻に誘われて家族で行った時の事です。

そのお祭りは山の斜面で行うのですが、15cm四方の木板の真ん中をくりぬき、それを150cmくらいの棒にさして火をつけて振り回し、夜空にむかって飛ばすという変わったものでした。
しかも飛ばす前に一言ジョークというか口上を言わなければいけません。

ひととおり祭のスタッフ(?)が飛ばした後、観客に挑戦したい人はいるかと聞いてきます。

「トオルもやってみない?」
奥さんのウルズラさんにすすめられ、私もやる事になりました。

ただジョークが言えなくて、会場でためらっていた私は何を思ったのでしょうか。
「フライブルク最高!」
そう日本語で叫び、ディスクを飛ばしたみたいです。(みたいですというのは、その瞬間の事だけ全く覚えていないからです)

やがて月日は流れ2008年秋。
今回の撮影でロイポルツ夫妻の家にうかがった時の事。
「そうそうこれ覚えているかい?」
夫のヴォルフガングさんが持ってきたのは、なんと私が飛ばした木板だったのです。お祭りの翌日に山まで出かけ、そして拾った木板を今まで保管してくれていました。

「初めて日本人が、しかも日本語で挑戦したからね」と笑って話す夫妻の姿を見てとても嬉しかったです。

フライブルク特集第三弾もよろしくお願いいたします。

STYLEBOOK ドイツ・フライブルク特集 Part 3
「環境首都・フライブルク」
11月8日(土)よる11時30分放送