2008年11月3日月曜日

フライブルクの匂い



佐藤タダシ(ディレクター/買い物好き)

僕は旅行や仕事で街を訪れた際に感じる「その街独特の匂い」に興味を持つ。

アジアはどこでも匂いがあった。
中国・昆明は砂の匂いにする街だった。バリ島・ウブドゥは神に供える花の匂いが街中を覆っていた。

この「匂い」。都市部ではあまり感じない。排気ガスやレストランチェーン店の匂いが邪魔をするからだ。

しかし、今回訪れたドイツ・フライブルクは匂いのする街だった。それは農家の納屋の中に漂うような「時間の止まった匂い」。

深夜2時。大聖堂の前に行ってみた。
この建物のある旧市街地と呼ばれる区域は車は進入禁止。だから排気ガスの匂いはしない。レストランチェーン店もないため、どの街にも漂う同じ匂いがない。

気温は13度。乾燥した空気は明らかに初冬の匂い。

その匂いの中、かすかに感じるのは土の匂い。いや建物の壁の匂いといったほうが正しいだろう。

空を見上げる満天の星空だ。今回の撮影で訪れた「ドイツ・フライブルク」
僕の記憶には映像の他に「匂い」もインプットされた。

STYLEBOOK ドイツ・フライブルク特集 Part 3
「人が主役の街」
11月8日(土)よる11時30分放送


写真:佐藤タダシ[STYLEBOOK]